水曜日, 12月 29, 2010

馬の分裂

話には聞いていたが,実際にこの目で見たのは初めてだ.

2週間前の早朝.
いつものように朝飼を済ませた後に,にしきを放牧場に連れていって放してやった.
母屋に引き揚げてくる途中,ふと違和感を感じて振り返ると,やつの様子がおかしい.
心もち顔を持ち上げ,前脚を前に,後ろ脚を後ろに伸ばして,しゃちほこばっている.
馬らしくないとゆーか,犬猫の伸びのような格好.

その姿勢のまま「ふひん」と鼻を鳴らすと,腹と胸の間の皮毛の色がすぅっと褪せた.
ちょうど,太さ10cmくらいの灰色テープが胴回りを一周したような案配だ.
さらに目を凝らしていると,その辺りの透明度がどんどん増していく.
お前はもののけ姫のしし神か?
朝日を通して遠くの竹林がうっすら透けて見えた.

不思議な光景に固まっていると,今度は後ろ肢を踏ん張ったまま前脚で地面を掻きだした.
透明になったところが軟化していて,ガラス細工のようにすぅっと伸びる.
「ああ,動いたらあかん!」
声に出して止める間もなく,目の前でぷつんと切れてしまった.

その後は,よく覚えていない.
自分が発狂したという恐怖に捉われて,記憶が欠けてしまったようだ.
気がつけば,上(前?)半身からは後ろ脚が,下半身から胸部と頭が再生していて,つまりは,目の前に小振りの馬が2頭立っていたというわけだ.
また失神しそうになったが,これが話に聞いていたセン馬(去勢した牡馬)の分裂増殖かと,埋もれていた知識を引っ張り出して,ようやく気持ちを落ち着かせることができた.

うーん,これから,どうしよう?
ま,生まれちまったものはしょーがない.
とりあえず,今,その2頭をバディとオリバーと名づけて飼育している.

・・・

白状します.
何を隠そう,,,実はこの話はウソなのです.
えっと,つまり,あまりにも良く出来た作り話なんです.
みなさんをすっかり騙してしまいましたね.
いやー,反省反省.
 

金曜日, 12月 17, 2010

終わり無き戦い

今,早朝7:30の誰もいないオフィスで,寒さに震えながらアイスコーヒーを飲んでいる.
自販機でホットを出そうとして,間違ってアイスのボタンを押してしまったのだ.

実はこれが初めてじゃない,,,どころか,もう4回目である.
しかも同じ自販機で.
どうして神様はこういう仕打ちをなさるのだろう?

怒りのあまり原因を究明してこなかったこれまでの行為を反省して,今回はしっかり観察してみた.
なんと,押下したボタンのラベルには,湯気の立ったコーヒーカップが描かれてるではないか.
しかも背景は赤色基調で,パッと見たらもう全体が赤.いくら下に水色のラインが引いてあっても,ホットと勘違いするのもやむなしってゆーか,絶対間違うでしょ,これ.
悪意すら感じる.
もし裁判になったら絶対勝てると思う.
熱いコーヒーを心待ちにしてるとき,紙コップに氷が注がれる「じゃっ」という音が聞こえたときの心の痛みは,たぶんやった人じゃないとわからない.

ところで,何で買い直さないの?と思った人は,おそらく男という生き物が理解できていない.
もちろん80円をケチってるんじゃなく,ここで買い直したら一生後悔するのが目に見えてるからなのです.

If you win or you lose
It's a question of honour
And the way that you choose
It's a question of honour

火曜日, 12月 07, 2010

2人の蜜月物語(13) -あってはならないこと-

「カイラの様子がおかしい」と,給餌しに行ったHiroが心配そうに帰ってくる.

いつもは,欠食児童のようにガツガツと平らげ・・・ええぃ,もっと上品に書かんかっ・・・平時はぐぁつぐぁつとほおばりあそばすのに,水だけ飲んでしょんぼりしてるというのだ.
すわ一大事と駆けつけると,フードを前にしてしょんぼり座っている.

「カイたん...」

とたんに胸が一杯になり,涙が溢れそうになる.
オロオロ抱きかかえて身体をさすると...固い.
腹がカチンカチンだ.
慌てて辺りを調べると,積み上げておいたフードの一番下の袋に3cmくらいの穴が開いていて,中身が減っている.

盗み食い?
ありえないだろ.
特に「フードを積み上げた拍子に袋がちょっと破けて,その匂いを嗅ぎつけ穴をこじ開けて中身を食った」なんてことは一番ありえない.
だって万事控え目で邪心の無いカイラにそんなことができるわけがない!
バカげてる.

ならば,ということで,考えられる事情を列挙してみた.

  • ねずみが侵入して袋を破り,中身をぶちまけてしまった.キレイ好きのカイラは掃除しようとしたが,ホウキが使えないので,仕方なく胃袋に収納した.

  • ぐれぐとぺぐとじぇちが共謀し,カイラを押さえつけて無理やり食べさせた.おそらく彼女のスタイルが美しいのを妬み,太らそうとしたに違いない.

  • 飢えたおばあさんが犬小屋に入ってきて倒れた.可哀相に思ったカイラが袋を破り,フードを柔らかく噛み砕いてあげてる間に,誤って一部を飲み込んでしまった.

  • 「みわファームが毒入りフードを隠匿している」という容疑で,保健所の役人が強制捜査に来た.家族想いのカイラが,家族の潔白を証明するため,その場でフードを食べてみせた.

  • 地球型生物を調査しに来た宇宙人が,目の前で何か食べてみせないと全人類を拉致すると言うので,やむを得ず袋を破ってフードを食べた.自ら罪を被って地球を救うために...


  • まぁ,こんなところか.
    あとで報告書にして上層部に提出しておこう.

    あ,それからカイラさん.
    これ以上おイタが過ぎると,まろも庇いきれませんから...
     

    土曜日, 12月 04, 2010

    馬糞が犬をした

    にしきくん近況.

    ・放牧地内で作業してると絶対に寄って来る
    ・寄って来て,噛んだり,蹴る真似したりする
    ・ふ~ん,要するに邪魔したいわけね
    ・昨日は駆けて来る時にカイラが足に絡まった,,,らしい
    ・カイラはきゃんきゃん言いながら石ころみたいに転がったんだって
    ・よくも俺のカイラを...
    ・今日は,獣医大の学生さんが遊びに来ていた
    ・乗馬の経験者だ
    ・それで,にしきに乗ってみようということになった
    ・案の定,暴れて振り落とした

    つまり,馬もくそうまになりつつある.
    どなたか,調教の仕方教えてくれませんか?
     

    日曜日, 11月 28, 2010

    犬が馬糞をした

    朝,犬部屋に行くとカイラ,ぺぐ,きゃすのところにそれぞれびっくりするほど大量のウンチ.
    どれも,あまり臭わない上にボロボロしている.
    どう見ても馬糞そのものだ.
    昨日,放牧地に放してやった間にしこたま食ったに違いない.

    それにしても,色といい形といいきれいだ.
    繊維一杯の馬糞が整腸剤になるのかもしれない.
     

    木曜日, 11月 25, 2010

    作業

    先週末2日間(11/20,21)は,沢山のゲストが訪ねて下さった.
    毎度毎度,少しは遠慮しようと決意するのだが,途中からおもろい話と美味で頭がボウッとしてきて,気がつけば朝から晩まで食べ続けている.
    こんなことをしていては人間が駄目になる,という良心の声も聞こえるが,いかんせん,目の前においしそうなものが並ぶと,ついフラフラと手が伸びてしまう.

    ・・・ってこんな風に書くと,ただずるずると無為に過ごしてるように聞こえるかもしれないが,やるべきことは,やる.
    今は,害獣ども(特に馬とくそやぎ)によって崩壊寸前に追い込まれた旧鳥エリアを,畑だった新しい敷地に移す作業に取り組んでいる.
    狭いとはいえ,10×15mくらいの広さはあるので,結構大変.
    家畜保健所というところから,鳥たちはちゃんと隔離して飼いなさいと指導されてるから,頑丈なフェンスで害獣の進入を防ぎ,その上を網で覆わないといけない.
    野鳥と接触しないのと,うちの連中が飛んでいってしまうのを防ぐためである.

    ところが,この網というやつがなかなかうまくかけられない.
    きつく張ってもすぐに弛んでくるし,金具などに引っ掛けると簡単に破れてしまう.
    切ったり貼ったりするうちに絡まってきて,そのうちどこが端かわからんようになり,やがて靴やボタンや鼻に引っ掛かったりするから,発狂しそうになる.

    ちゃんと骨組みを作れば良いんだろうけど,そんな知恵も腕もない.
    というわけで,今回は市販のでかいテントを立てて,そこに巡らしたロープに引っ掛ける方式をトライしている.
    高さが低く使い勝手は悪そうだが,パッと見は鹿島のアルシンド(古っ!)みたいで結構かわいい.
    でも,雪が降ってきたら,もっと何か補強しないとダメだろーな.
     

    月曜日, 11月 08, 2010

    重要なお知らせ

    ファーム開設以来,トト,メメの愛称で親しまれてきた2頭のトカラやぎですが,おかげさまをもちまして,今日から"くそやぎ"と改名することになりました.
    以後,くれぐれもお間違えの無いよう,ご留意願います.

     ■■用例■■
     「ねぇママ~,あれ,何ていう動物?」
     (誤)「あれは,ヤギさんね.トトちゃんメメちゃんっていうんだって.かわいいわね」
     (正)「あれは,くそやぎ.見ちゃだめよ」

    理由は,,,いつか気持ちが整理できたら書きます.
     

    火曜日, 11月 02, 2010

    2人の蜜月物語(12) -透明で清らかな一筋の〇〇-

    目を疑った.

    やんごとなきカイラ姫が,食器を見たとたんツツツーっと涎を垂らした,いや,お垂らしあそばしたのだ.
    なんという衝撃.
    あれほど清楚で気丈で我慢強かった彼女が...
    私が仕事で不在の間,継母と義娘の冷血コンビからひどい仕打ちを受けているに違いない.
    うう,お痛わしや.

    しかし,それにしても,,,卑しいではないか.
    世が世なら,どんな山海の珍味を前にしようとも,物憂い風情を毛ほども崩さぬ深窓の令嬢であるはずのカイラが,こともあろうに涎とわっ!
    それも,あごから床まで途切れず伝ったばかりか,キラリと反射までした,粘度と透明度を兼ね備えた見事な一本涎だ.
    羞恥と食欲のガチバトル.
    胃袋の勝利宣言.
    家庭教師のロッテンマイヤーが見れば,その場で卒倒しただろう.

    さて,どうしよう.
    今,このことで一番傷ついているであろう彼女を問い詰めるのは,おそらく最低最悪の愚行だ.
    継母に談判しても,鼻であしらわれるのが関の山だ.
    う~んう~ん,どうしたらいい?
    そうだ!とりあえず緊急処置せねば.

    「よしよし,パパがオヤツをあげよう」
     

    水曜日, 10月 27, 2010

    犬のほこり

    "犬追い出し"作戦を決行して3週間,犬たちの居場所が離れに移り,母屋に人間らしい暮らしが戻ってきた.
    あらためて痛感するのは,彼らがいかに汚れてるかということ.
    もちろん,5頭も室内飼いした上に,シャワーやブラッシングをしない私たちが悪いんですけど.

    変な話ですが,一週間前に拭いたテーブルの上が,白っぽく埃でコーティングされているのを発見したとき,部屋がきれいになったのを実感した.
    以前(=犬がいるとき)は同じ状態になるのに1時間もかからなかったので.
    周囲に畑が多いので,空気自体が埃っぽいのかもと思っていたが,やっぱりそうじゃなかったんだ.
    ヤツら,あのもっさりした白黒毛の中に,驚くほどの土と埃を蓄えこんでいる.

    で,ガランとした土間を,先週,先々週と2回に分けて掃除.
    柱に積もった埃や天井のクモの巣を取っ払うのに1日,床をデッキブラシで水洗いするのにもう1日費やした(おかげで柱の上側に埃に埋もれていたコンセント口を発見!と言えば,どんな状態だったか想像できるでしょう).
    あと,窓にこびりついた泥と鼻水を拭き取れば,野獣どものなすがままだった土間も,6年前の全き清浄を取り戻すだろう.

    ここにテーブルとピアノを持ち込んで,小じゃれたカフェスペースにする予定,,,だったのに,真っ先にビールサーバを買い込んで居酒屋にしてしまった人がいる.
    心静かに香り高いお茶などを喫しつつ,はいぶらぅな会話を愉しむ場にしたかったのだが,ま,うちには無理だわな.
     

    金曜日, 10月 22, 2010

    トイレの攻防と犬

    たまたま,他人とほとんど同時に公衆トイレに入ろうとしたとする.
    そんなとき,入り口でちょっと立ち止まって先を譲ったりするじゃないですか?
    で,相手は軽く目礼などして,2人前後して中に入っていく.
    それはいいとして...

    その室内に,男性用便器が3つ並んでたとする.
    どれを使うかって,ふつーは2人して両端を選ぶよね,ふつー.

    でも,どーゆーわけだか,よりにもよって,真ん中から使うやつがいるんだ,これが.
    一体何なんだろう,あれって.

      おい,何考えてるんや
      ここにはおまえと俺,2人しかおらんやろ
      便器が3つに赤の他人が2人や
      端と端使ったら,お互い気まずい思いせんと済むやないか
      どーなん!?その辺

    逆のケースなんかもっとタチが悪い.
    自分が先にトイレに入って,せっかく正しく端を選んでやってるのに,わざわざ隣(真ん中)に来てあ゛ーっと喉鳴らしたりする.
    勘弁して欲しい.
    いっそ「よかったら,こっち来て一緒にやりません?」と言ってやろうか.


    何が言いたかったかというと,もしかしたら犬って何時もふつーにこんな感じなんじゃないか?と,常々思っとったわけです(ウソだね.今,思いついたくせに).
    いつも他人,他犬,他動物の細かい位置を気にしていて,それがまた状況によってクルクルと変化する.
    不安やらプライドやら焦りやらのややこしい感情が交錯する.

    で,まれにワケのわからん諍いに発展したりする,,,んじゃないのかな?
    違ってたら,ごめん.
     

    月曜日, 10月 18, 2010

    乾杯の音頭

    みなさん,お疲れ様です.

    今年も猛暑や尖閣問題やチリの落盤事故など,大きな事件が相次いぎました.
    しかし,ここ関西で大ニュースと言えば,何といっても鉄人金本知憲の連続フルイニング出場記録が1500試合を目前にして途切れたことでしょう.
    その数なんと1492.
    くぅぅ~っ!(感極まって泣く)
    それでも,足掛け十一年に渡る前人未到の大記録が生まれました.

    その2ヵ月後,ところ変わって杜の都は神宮球場.
    ヤクルト-阪神公式戦の試合開始直前.
    その金本知憲がベンチから見つめるマウンドに,あの燃える闘魂アントニオ猪木が降臨,満員の観衆の中に立ちました.
    そしてその数分後,なんと「一つの会場で同時に乾杯する人数」のギネス記録を塗り替えたのでした.

    金本もアッパレなら猪木もアッパレ.
    海外の誰も知らないでしょうが,そんなことは良いんです.
    一つのことを貫き通せば,世界一は案外身近にあります.
    彼らにあやかり,われわれも関西発のグローバルNo.1を発信すべく,ここで猪木式乾杯を執り行ないたいと思います.

    「元気ですか!」
    「元気があれば何でもできる!」
    「1,2,3,かんぱい!!」

    --

    幹部を迎えた職場の飲み会に備え,会心の挨拶(↑)を準備してたのに,幹事が指名してくれなかった...
    残念にもほどがある.
     

    火曜日, 10月 12, 2010

    怒涛の日々

    いや,もう,たいへんなんっすから~,というのは故三平師匠のギャグだったでしょうか?
    それはいいとして,いや,もう,たいへんな三連休でした.

    今年の夏は猛暑と口蹄疫のダブルパンチで,ファーム開設以来の静かさでしたが,その反動というわけでもないでしょうけど,たくさんのゲストが訪れてくれました.
    おかげで,Hiroの「人間と会話したいぃ!」病はだいぶ回復したようです.
    みなさん,どーもありがとう.

    で,忙しかったのはゲストのせいじゃなく,この間から発作的に始めたファーム改造計画(犬追い出し作戦とも言う)の掃除と工事が進行し,その上,集落の一大行事である「芋煮会」が開催されたからである.
    これらが全部並行して進行すると,もはや段取りを考えて粛々と事を運ぶことは不可能である.
    ハイテンションのまま,わーっと乗り切るしか手は無い.
    関係者の方々におかれましては,不手際,暴言の数々が重なったと思いますが,そんなこたぁ知ったこっちゃないこの場を借りてお詫び申し上げます.

    でも,楽しかったなぁ.
    動物と違って,人の相手をしていると「自分は一体何をいたしておるのだろう?」病が発症しないことを発見した.
    やっぱり人にとって大事なのは人.
    普段,まろの主張はなかなかHiroに認められないが,ここだけは,めでたく意見の一致を見るかも.

    それにしても,泊りがけでのんびりしにきた筈なのに,さんざ食事をたかられ,「芋煮会」に引っ張り出された上に楽器演奏までさせられた友人&ご夫婦一行には,同情の念を禁じえない.
    ごめんね.
     

    月曜日, 10月 04, 2010

    事件のニオイがする

    仕事用のパソコンをいじってたら,\\会議資料\文書\作業中 というディレクトリに「きうり.txt」というファイルがあるのを発見.
    ファイル一覧画面で見ると,基盤グループ会議報告とか官公金通HI資料081106とか,いかめしい漢字タイトルが並ぶ中で,そこだけ野辺に咲く一輪の花のように可憐である.

    気になったので中を覗いてみると,謎のメッセージが3行...

     おお きゅうり あなたはどうして きゅうりなの
     かじるべきか 折るべきか それが問題だ
     人民の 人民による 人民のための きゅうり

    はぁ???

    自分で書いたはずなのに,ぜんぜん記憶が無い.
    きっと大昔のファイルやろうと思って,更新日時を見たら2010/7/30 14:42.
    え,うそっ!ほんの2ヶ月前やん.

    スケジューラを見たら,その時間は会議の真っ最中だったはず.
    きゅうりの出来具合でも心配してたんだろうか.
    それとも何かの暗号?

    謎は深まるばかり.
    あ,もしかして,検察の改ざんか!?
     

    日曜日, 10月 03, 2010

    まだ新人

    先週末は恒例「道つくり」の日.

    何じゃ?そら,と思われても無理ないです.
    村暮らしを始めるまで,まったく知らなかった行事.

    年2回,全戸から人が集まって,半日かけて清掃や道整備などを行う.
    ボランティアではなくれっきとした公式行事だから,不参加のときは「出不足金」を払う.たぶん,昔は本当に道を切り拓いたんだと思う.今は掃除や草刈りが主体で,どーしても必要な作業というよりは,たまにはみんなで集まって一緒に汗をかきましょうや,くらいのノリだ.

    みなさん勝手知ったるなんちゃらだから,もちろん,作業の説明など無い.
    朝8時に集合して,「でわ,みなさんよろしく」でワラワラと散らばってワラワラと作業を始める.
    最初は右も左もわからず,周りの人のやることをひたすら真似するだけだったが,さすがに6年も続けていると,大抵のことはわかって,,,こない.
    甘いです.
    「ここの作業は他所から頑張ってるように見えるから最後まで残しとくんや」とか,「このあぜはここまで刈りこむけど隣の畑はそこまでや」とか,初めて聞く掟/ルール/ノウハウが山ほど出てきて,相変わらず,右往左往している.

    ここでは,周りを見ながら柔軟に自分を合わせるES細胞みたいな能力を要求される.刈り払い機の使い手が多いときは,草を集めるとか,それを運ぶための軽トラを持ってくるとか,そういう臨機応変の技.
    あ~,だれか新しい人入ってこないかな.
     

    日曜日, 9月 26, 2010

    飼い主募集

    きゃすは親姉妹に揉まれるようにわーっと暮らしてきて,わりと「素の犬」に近いと思う.
    元気で,食いしん坊で,陽気で,アホで,よく寝る.
    「来い」も「お手」も???だが,人は大好きだ.
    だから,めちゃくちゃ可愛い.

    田舎には有線放送というのがあって,朝6時半になると各家庭にある受信機から,「おはようございます,朝のお知らせです」とアナウンスが流れる.
    特にこれという情報も無いので,ボリュームは絞ってあるのだが,きゃすは敏感にこれに呼応する.
    心の奥の衝動に抵抗できないのだろう.
    「よおぉぉぉおぉぉおぅ~」
    能楽の掛け声みたいな,抑揚の効いた澄んだ高音である.

    その後に鼓の「ポンッ」が欲しいところだが,ファームでは,妹のぺぐが加わって輪唱が始まる.
    「よおおおぉぉおぉ」「うぉぉぉぉうおおお」「よぅよぅよお~」「おおおおおおぅ」・・・
    なかなか味わい深い響きなのですが,できれば,7時を過ぎてからにしてほしい.

    きゃすの親姉妹である,ぐれぐ,カイラ,ぺぐは,揃いも揃って人と絡むことに命を賭けている連中である.
    さんはそうでもないが,自分のやりたいことは頑として譲らない.
    そんな押しの強い犬たちと一緒にいるから,きゃすはどーしても一歩引いてしまう.
    だから,人と暮らしながら,人の影響が薄いのだろう.

    ときどき,きゃすはファームにいるよりは,まっとうな(笑)家庭に飼われた方が幸せなんじゃないかと思うことがある.
    だれか,彼女に「人と暮らす悦び」を堪能させてやろう,という方はいませんか?
    いや,マジで.
     

    土曜日, 9月 25, 2010

    龍馬伝

    司馬遼の「竜馬がゆく」を読んだのは,もう30年以上も前になる.
    歴史物も長編も苦手だったのに,8巻もある分厚い文庫本を夢中で読んだ.
    幕末の要人たちがそうだったように,読者もまた,この独創的で奔放な若者が好きにならずにはおられないように書いてある.
    日本人の龍馬好きは,この小説で決定的になったそうだ.

    なんせ昔の話だから細かい内容はほとんど忘れてしまったが,薩長連合締結の直前,「長州がかわいそうではないかっ!」と西郷に吠える場面はよく覚えている.
    そこだけ何回も読み返したからね.

    先日たまたま観たNHKの龍馬伝がちょうどその場面だったが,そんなセリフは無かった.
    あったら盗作だから当然だろうけど,なぜか物足りない気分.
    もう一度,一巻から読み返してみるか.
     

    月曜日, 9月 20, 2010

    はい,修行が足りてません

    今日は6万5287回目の柵の修理.
    もう腹も立たない.
    一輪車に修理セット(針金,ペンチ,ドリル,ハンマー,釘,単管・・・)を積み込んで,粛々と現場に向かう.

    ファーム開設当時に打ち込んだ木の杭は,もう根元が腐ってぐらぐらになっている.
    だから,しこたま食ってるくせによりおいしい草を求めて止まないヤギ×2の攻撃の前にはひとたまりも無い.
    単管を打ち込み,たわんだ金柵を引っ張り上げ,針金で固定して一丁上がり.
    手馴れたもんである.

    ふと見ると,10mほど離れたところで,張本人のヤギがヘソ天になって背中をこすり付けている.
    心を平静に保つため,こういうのはできるだけ見ないようにしている.
    でも,視野の片隅で生っちろい腹と短足がクネクネ動くので,どうしても気になってしまう.

    あ,止まった.
    空中で足が静止している.

    と思ったら,その足がゆっくり傾いてパタリと倒れた.
    そのままふて寝.
    そーか,ヘソ天にも飽きたんか.

    もーれつに腹が立ってきた.
     

    月曜日, 9月 13, 2010

    1時間前のできごと

    思ったより早く出張仕事が片付いた.
    京都駅で蓬莱の看板を見つけたとき,豚まんを2つ購入し,クーラーの効いた部屋でパクつきながら,ゆっくりサッカーの衛星放送を楽しむと言うゴールデンプランが,あっという間にでき上がっていた.

    ちなみに,まろにとって蓬莱の豚まんは,高級ではないがご馳走であり,小さい頃の家族の記憶であり,学生時代の栄養補充食であり,つまりはれっきとしたソウルフードなのである.
    ここ何年も食べてなかったし,どんだけ楽しみだったか.

    その豚まんを網棚に忘れたのに気付いたのは,電車を降りてプラットフォームの階段を昇っているときだった.一瞬,全身の血が逆流するくらい慌てたが,車両は走り出していてどうしようもない.
    駅員に連絡すれば戻ってきたかもしれないが,プランを維持するのは時間的に無理だろうし,そもそも2個320円の豚まんにそこまでするのも恥ずかしい.もう,あきらめるしかなかった.
    (それにしても,降りる直前,電車が減速しだした頃まで覚えていたのに,席を立つときには綺麗さっぱり忘れたというのは,ちょっとアレかもしれない)

    駅からアパートまで歩く10分ほどの間に,日曜日に購入しておいたラーメン「好きやねん」を作って食べるという対案を思いつき,ともすれば荒廃してしまいそうな心を何とか立て直すことができた.

    アパートに帰ってから計画を実行に移し,茹でたラーメンをスープの素を入れた容器に入れたまでは良かった.スープが跳ねても良いように,どんぶりを流しに置くという,我ながら周到な手順で遂行した.
    なのに,,,
    熱いうちにざっと流しておこうと,使った鍋に水を張ったのが間違いだった.
    揺すって回したその水を,流しに置いたままのどんぶりに勢い良くぶちまけてしまったのだ.
    あっと思った時はもう遅かった.
    でろでろと力なくあふれ出す,ゆで上がった麺たち.
    修正ゴールデンプランも,完全に消滅した.

    すみません,しょーもないグチを長々と書いて.
    何かしてないと,心が折れそうだったので...
    もう寝る.
     

    土曜日, 9月 11, 2010

    阪神タイガース

    あかん,どんどん落ちていく.

    がんばれっ!
    俺もがんばるから.
     

    土曜日, 9月 04, 2010

    馬の蹴り

    痛い.
    ひどく痛い.
    切り傷みたいな鋭い痛みではなく,骨と筋肉が軋むようなにぶいやつ.
    いわゆる打撲,打ち身.

    話すと長くなるし,怒りがぶり返すので経緯は省くが,とにかく,内股に馬の蹴りが入ったのだ.
    あああ,やっぱり腹が立つ.
    にしきのやつ,向こうから駆けてきて,目の前でたたっと向きを変えて,後ろ足で軽~く...
    つまり,わざとだ.

    外出から帰ってふと畑の方を見ると,そこにいる筈のない馬が鳥エリアの中からこちらを覗いていた.
    はぁぁ,,,Hiroと2人して一気に脱力.
    クソ暑い中,苦労して馬を連れ出し,無残に踏み潰された鳥柵を修理して,,,そんな苦役の直後に事件は起った.

    いいから,謝れよ.
    いや,謝ってもダメだ.

    もう二度と馬を愛せない気がする.
     

    日曜日, 8月 22, 2010

    カウントダウン

    「自分は今,一体何をしてるんだろーか?」と自問する機会が多くなった.

    それには,「こんなしょーもないことに時間と労力を費やすのがもったいない」という,焦りに似た後悔の念が含まれている.
    大抵は,放牧地に探検に出たバリケン親子を探しまわってるときとか,一輪車に積んだ馬糞をヒツジにひっくり返されたときとか,動物由来の不条理が絡むことが多いが,最近は,仕事の会議やTV番組を見てる最中なんかにも,頻繁に頭をよぎる.

    若い頃はそんなことはなかった,ってゆーかむしろ,「時間をつぶす」ことが重要なテクニックだったような気がする.
    高校生になったばかりの娘が,部屋でのんべんだらりんとしてるのを見るとイラッとくるが,そもそも,若い世代には時間がもったいないなんて感覚すらありえないのかもしれない.

    歳を取ると年月が短く感じられるのは,その年月を自分が生きてきたそれと相対化するからだそうだが,その伝でいくとこれは,無意識的に自分の「残り時間」を計算していて,それとの比較によって「しょーもなさ」の判断基準が厳しくなっているのかもしれない.
    (今も,「こんな文章書いてる場合か?」と思った...)

    だいたい人生なんてのは,「人生には意味がある」という一大虚構の上に辛うじて成り立つもんだと思うが,だからこそ,残り時間が少なくなってくると,その物語をもっともらしく完結させねば,というアセリが生じるのだろう.

    動物たちのように,「いま,ここ」に集中して生きることができれば,どんな作業もありがたくこなせるんやろうけど...
     

    日曜日, 8月 15, 2010

    2人の蜜月物語(11) -錯乱-

    息するのが苦しい・・・くらい暑い.
    温度はそないでもないけど,湿度があかんわ,湿度が.

    オカラ貰いにいつもの豆腐屋さんに車走らす時,クーラー付けたら思わず「はぁぁ」って情けない声出してもうた.そうや,俺,息苦しかったんやって,そんとき初めて気ぃついたわ.暑うて窒息死やてシャレんならんわ,ほんま.

    そんなんでも,カイラっちゅう犬は相も変わらずベタベタくっついてきよるし.
    もー,うっさいなぁ,蹴飛ばしたろか.
    気温と湿度次第で,人間,性格変わるんや.
    よう覚えときぃ.

    ほんでや,足首の辺りブヨにやられて,どんならんねやわ.
    あーっ,かいかいかいかい.
    掻き過ぎて血ぃ滲んできよった.
    何書きたいんや?俺...
     

    金曜日, 8月 13, 2010

    センチコガネ

    この時期,裏庭の犬のウンチを取り損ねると,2~3時間でぐずぐずに崩れて,ほとんど繊維だけになっている.(うちの犬たちは草を大量に食べるからね.エサ,足りてない?)

    そんな残骸ウンチを拾い上げると,その下には決まって,なんとも冴えない甲虫がゴソゴソしている.
    センチコガネと言うらしい.
    「センチ」は雪隠(せっちん)から来ているそうで,まさにクソ虫である.

    それにしても,すごい分解能力だ.おかげで柔らかいウンチも拾いやすくなるし,不潔感もなくなるから随分と助かっている.

    人間は視覚と頭に頼る動物だから,どーしても,目に見えない生き物のことは忘れがちになるが,それでも,土に触れていると,折々に彼らの働きを実感する.

    だから,キンチョールを使うにも躊躇することがある.
    「自然原理主義」も嫌だから,適当にやってるけど.

    火曜日, 8月 03, 2010

    夏の冬眠

    ファームを始めた6年前はまだ今より6歳若かったし,「暮らしを変えよう!」とか変に気負ってたから,断固としてエアコンを拒否した.
    それでも今日まで何とか凌いできた.

    でも,今年はひどいよ.
    梅雨明けからいきなりトップギアの酷暑.
    湿気高いし.
    天気の神様に言います.
    俺は良いよ俺は,動物たちがかわいそーだろっ!! (って言い方するヤツに限って自分のことしか考えてないんだよな)
    そう,,,僕のために何とかしてください,,,神様ぁ.

    でも,エアコン無いからわかることもある.
    例えば,犬という動物がどうやって暑さに対抗,じゃなくて順応するか,とか.

    Hiroがブログに書いたように,皆さま,揃いも揃って床に這いつくばって,ひたすら眠ってらっしゃる.日中なんか怖ろしいほど静かだ.(カイたんだけは,人の間をパタパタ行ったり来たりしてるけどね)
    これは,人間の目には「だらけた」態度にしか見えないが,自然界だったらその期間エサも採れないわけだから,這いつくばってるのもリスクを伴うマジメな行動戦略だと思う.冬眠の夏バージョンみたいな.

    暑いときは寝る.
    代謝レベルを下げる.
    運動なんか,したくなってからしたらよろしい.
    そーいうもんかもね.

    はい,賛成です,僕もそう思います.
    だから,しばらくは気候順応のため仕事しません.
    だめ?
     

    火曜日, 7月 20, 2010

    おのれはぁ,あっちでもこっちでも,ちょろちょろしっこ引っ掛けやがって!
     

     

    月曜日, 7月 19, 2010

    堆肥が好き

    ・・・かもしれない.

    馬のぼろ(●んち)は黒い団子みたいな感じである.
    牛みたく反芻しないので,草の繊維が一杯残っている.
    だから積んでおくととても良い堆肥になる.

    これに羊,ヤギ,鳥のフンや生ゴミがブレンドされたのがみわファームの堆肥.
    畑を耕すときにちょっとづつ漉きこんでいる.
    考えてみれば,他の農薬や他の肥料は一切使ってない,てゆーか使い方を知らないので,みわファームの野菜は正々堂々とした有機野菜(←変な名前."無機野菜"ってあんのか!?)である.
    こうやって5年ほど(Hiroが)細々と野菜を作ってきたが,最近は素人目にも良い土になってきた気がする.

    で,堆肥.
    これがなかなかバカにできない.
    味があるっつーか.

    家畜のフンを堆肥用の穴に放り込んでおくと,すぐに発酵が始まって熱を持ってくる.微生物がフル操業で頑張ってるのだろう.冬だと中からわぁんと蒸気が上がるくらい.もともと草食動物のフンは不潔感が少ないものだが,すぐに臭いも消えてしまう.

    数ヵ月後に掘り返してみると,草団子が細かい土粒みたいなものに変わっている.たぶん,ごろごろ出てくるカブトムシの幼虫のおかげである.
    微生物と虫たちがこの堆肥を作ってくれたのかと思うと,何となく嬉しくなってくる.

    うまくすれば,堆肥作りを趣味にしたり,競技会を企画したりできそうだが,残念なのは,人間が活躍できる余地がほとんど無いところである.
    それでも,ちょっとした水分加減なんかで出来不出来があって,うまい具合に出来たときはしみじみと嬉しい.
     

    月曜日, 7月 05, 2010

    胃捻転

    ファームで最年長犬のさん,土曜の夜にちょっと元気無いなと思ってたら,翌朝には立ってられない程弱ってしまった.
    胃にガスが溜まって内臓を圧迫したのが原因のようだ.
    胸の深い犬はそうなりやすいと話には聞いてたが,緊急さと重大さの実感が無かったので,目の前で呼吸が浅くなり歯茎の色が変わってきたときは,さすがに焦った.

    病院で検査結果待ちの間,Hiroが身体を縦抱きにして腹をマッサージしてたら,グゥ~~~~~~という,ゲップというよりは低いうなり声みたいな音と共にガスが抜けていった.
    パンパンだった腹が緩んでいくのを手のひらで感じたときは,涙が滲むくらいホッとした.

    レントゲン写真には,画面一杯に膨らんだ胃と,残りの僅かなスペースに押しやられた他の臓器がはっきり写っていた.そりゃ,苦しいわな.
    「肝臓病患者は血流を集めるために食後に足を高くする」という話を聞いたときも思ったけど,生き物の身体って信じられないほど精妙にできてるくせに,案外単純で大雑把なところもある.
    内臓の隠れた損傷は心配だが,とりあえずは元気そうに見えるので,あとは彼の回復力に期待するしかない.

    それにしても,,,結構な危機を乗り越えたんだから,普通だったら同情と愛情を集めても良さそうなもんだが,この男だけはムカついてしまう.
    「黙って弱ってんじゃねーよっ!」って...

    ん~,なぜだろう?
     

    土曜日, 6月 26, 2010

    2人の蜜月物語(10) -真剣勝負-

    仮に,「お金の心配をせずに暮らせる人」がお金持ちの定義だとすると,健康な人とは「健康のことを考えずに済む人」だし,幸福な人生とは「幸か不幸かを気に病まない人生」ということになる.
    その伝で行くと,人と犬の良い関係とは「互いの存在を特に意識しない」関係になるんだろうか?

    ありえないね.
    カイラと私はいつも互いを意識しているからである.

    現に今,私がこうしてパソコンに文章を打ち込んでいるときも,居間には張り詰めた空気が漂っている.
    カイラは斜め前方2mのソファにだらしなく寝そべってはいるが,頭だけはこちらに向け,険しい顔でこちらを凝視している.その気配を察しながら,私はわざと無関心を装ってキーボードを叩いている.

    うっかり彼女と視線を合わせてしまうと,とたんに耳がベチャッと倒れ,胴体をくねらせながらやってきて,撫でろだの膝に乗せろだの,ひじょーにややこしいことになる.
    一旦そうなると,撫でたり抱き上げたり,こちらが誠実かつ充分に好意を表現するまで,彼女は満足しない.
    それはそれで,望むところでもあるが,とてもパソコンどころじゃなくなる.

    つまり,カイラが注意を逸らせば彼女の負け,先に私が彼女を見てしまうと私の負け,2人はそういう真摯な闘いをしているのである.

    あっ,まだ話終わってないんですけど!
     

    土曜日, 6月 05, 2010

    毒スポーツ

    土曜日に地域のバレーボールの試合に出たら,コートを分けているネットに絡まって,膝をぐねってしまった.3日ほどしてやっと痛みが引いたので,夜にテニスをしたら,二の腕の筋を傷めてしまった.
    我ながらブサイク.

    「スポーツは身体に良い」とか言うけど,あれ,絶対ウソだよな.
    身体に良いことをして身体を壊すのはおかしい.
    ま,良い悪いは人間が作った価値基準だからどーとでも言えるが,少なくとも,身体の自発的な欲求じゃないという意味で「不自然」なのは確か.

    だからってスポーツを止めようという話にはならないけど(大好きだし),そーいうことに人や動物を巻き込むときはそれなりの自覚と覚悟を持つべきやろう,というようなことを最近思っている.
    屁理屈言い出すと長くなるので書かないけど.

    日曜日, 5月 23, 2010

    暴風雨

    「たまには雨でも...」などと書いたから罰が当たったのか,今日は一日中雨.
    しかも,強風.

    風にあおられて,鳥エリアの一部が壊れたので,レインコート着込んで決死の思いで応急処置に出る.
    ヘロヘロになって倉庫まで帰ってくると,バリケンが水飲みの中で水浴びをしていた.

    それ,嫌がらせか?
     

    月曜日, 5月 10, 2010

    たらこくちびる

    くちひるが はれて いたい.
    うがいをひたら 口のひまりがわるくて ひぅーって みるが飛んだ.

    なんれかってゆーと ひのう 鳥にえさやって 帰ろうとひたときに あみにひっかかって ころんだから.
    そんとき もってたはけつに 顔をイヤッちゅーほろふつけたのら.

    ほれにしても さいひん よろこぶ・・・じゃなくて よくころぶ.
    ぜんぶ どーぶつがらみだ.

    何か うらみでも ありまふか?
     

    火曜日, 5月 04, 2010

    うまい話

    一昨日から,友人たちが泊りがけで遊びに来てくれている.
    なので,クラブ活動に出かける娘を駅まで送ったついでに,何かオヤツでも買って帰るべと,運転しながら思案していた.
    やっぱりケーキが良いよなぁ,でも,ありきたりのじゃ詰まらんしな,などと迷っていると,付けっぱなしだったFMラジオからDJの声.

    「今朝の新聞に載っていたケーキのアンケート調査によりますと,,,」

    おおっ!何というグッドタイミング!と耳をそばだてたら,

    「56%が上向きと回答したそうです」

    それを言うなら景気やろっ!と思わずラジオに突っ込んでしまいました.
    ふざけたDJですね.
     
    それにしても,連日,快晴続きです.
    たまには,雨でも降ってくれないと,,,身体がもたんです.
     
     

    土曜日, 5月 01, 2010

    闘いの始まり

    (みわファームをご存知の方は地形をご想像下さい)

    毎朝,Hiroは倉庫から放牧地まで馬を曳いて行く.

    1) 無口をつけ,倉庫を出て前の庭でUターン.
    2) そのまま農道をぽくぽく歩く.
    3) 右手にあるゲートを開けて,放牧地で無口を外す.

    1分ほどで終わる簡単な作業である.
    今朝,どれどれたまにはオレが,と手綱を取ってみたところ,,,

    1) 倉庫を出ていきなり,前の庭を右折して畑へ引っ張りこまれる.
    2) その辺に生えてる雑草を食む.
    3) 力まかせに無口を引っ張って庭に連れ戻す.
    4) 農道を歩くと,ぐいぐい身体を押し付けてくる.
    5) 押しくら饅頭みたくなって,いつのまにか,側溝まで押し出される.
    6) 両足が宙に浮いて馬の下に転ぶ.
    7) 踏むなー!と念じながら,両手で頭を抱え込んで馬が通り過ぎるのを待つ.
    8) 馬は身体をまたいで,堆肥置き場脇の空き地に突入.
    9) おのれぇぇと呻きながら起き上がり,草を食もうとする馬を捕まえる.
    10) 力ずくで農道に連れ戻す.
    11) ゲートを開けるようとすると,馬のアゴが脳天に落ちてくる.
    12) しばらくうずくまる.
    13) 無口を外したら,オナラをかまされた.

    たった5分で,息は切れるし,手は擦り剥くし.
    そっちがその気なら,こちらにも考えがある.
     

    木曜日, 4月 29, 2010

    恒例の・・・

    先週末は恒例の毛ガニ大会,,,じゃなくて毛刈り.

    毎年ちょっとずつ技術が向上してて,今年は涼しい顔でさくっと片付けようと目論んでたのに,すぐに腰が痛くなって,ついでにバリカンの調子も悪くなって,結局6頭中3頭しか刈れなかった(しかも虎刈り).一杯,手伝ってもらったのに...

    でも,すっこ~んと晴れた割にはまったく暑くなく,もちろん寒くもなく,気候は最高でした.
    例によって人様の食事をつまみ食いし,ビールを飲み,だらだらおしゃべりし,最後は集まった犬たちを放牧場に解き放って,とても贅沢な一日を過ごすことができました.
    みなさん,どうもありがとうございました.

    宴の途中,預かり犬2頭の飼い主さんも登場.
    犬たち,ファーム生活にも慣れてエンジョイしてると思ってましたが,さすがに嬉しそうでした.
    帰りの車に乗り込んで,安心し切ったような様子.
    やっぱり犬はかわいい.
     

    金曜日, 4月 09, 2010

    2人の蜜月物語(8) -Cosmic Sniff-

    頭を撫でると,カイラは感極まったように「くぅ」あるいは「くふ」と鼻を鳴らす.
    その瞬間,私と彼女の周辺には,誰も介入できない結界が形成される.

    もちろん,こんなことをわざわざ教えたりしない.
    2人が暮らしてきた生活の中で,何となく出来上がってきた一種のお約束である.
    言うなればこれは,私と彼女が共有した時間の結晶なのである.

    (あ,このおっさんうっとーしぃと思った人,これ以上読まない方が良いです)

    さらに,それには私と彼女の持って生まれた形質,すなわち両親から受け継いだ身体と性格も,少なからず影響しているだろう.
    そしてカイラと私の両親はそれぞれの祖先の人(犬)生を背負っており,さらにその祖先も,,,と遡っていくと,結局その小さな鼻音は,地球上の生命が38億年に渡って紡いできたあらゆる事象の帰結ということになる.

    ここまで来れば,私が言いたかった「くぅ」=「宇宙の歴史」論まで行き着くのは,むしろ自然な推論だとご理解いただけるだろう.
    ほぼ一週間おきに「くぅ」を聞くたびに,頭の中で小さなビッグバンが起きるのは,きっとそのせいなのだ.
     

    火曜日, 4月 06, 2010

    蕪の週末

    ボーダーコリーの縁で,先日知り合ったばかりの農家の方が,わざわざ手間をかけて蕪を持って来てくださった.
    それが2トントラックに一杯(笑).
    ほぇ~こんなに!?と目を丸くしてたら,「まだこの7~8倍はある」とのこと.もう出荷には適さないので,残りは全部,畑に漉き込んでしまうんだそうだ.
    素人感覚では胸が痛むけど,今の農業ではごく普通のことなんだろう.

    さっそく放牧場に投げてやると,馬が血相変えて飛んできて,羊とヤギを蹴散らし独り占めしようとする.
    仕方なく,離れた2箇所にまいてやると,口からぼろぼろこぼしながら,その間を往ったり来たりして牽制している.
    どんだけ心狭いんや?

    人間も~,というわけで菜の花部分を摘んできて,ラップにくるんでチン.
    ほろ苦の風味が最高でした.
    同じ菜の花でも,大皿一杯に盛りつけると豪勢です.

    鳥たちも勝手に突きまわってるから,ご相伴に預かってないのは,縁をとりもってくれた犬たちだけ.
    君ら草食ってるから良いよな?
     

    土曜日, 3月 27, 2010

    じぇちの感触

    職場の自席前のボードには,いまだにじぇちの写真が貼ってある.

    裏庭のフェンスの前に座って,どこか遠くを見つめている時の横顔.
    ちょっと出っ張った後頭部,耳の下のにょろにょろ毛.マズルにくっついた枯れ草.
    頭をワシワシ撫でくりまわすところを想像したら,手触りどころか彼女の頭の匂いまでリアルに甦ってきた.

    そういや,一年前の今頃は目の前で生きてたんだもんね.
     

    月曜日, 3月 22, 2010

    蜜月物語(回想編) -一からやり直し-

    誰のせいか知らないが,カイラは他人に対して心が狭い.
    客人が土間や裏庭に入ってくると,わざわざ真正面に陣取り,4つ足を踏ん張って吠えたてる.

    「お前は誰だ!何しにきた!近寄んな!何とか言え!ガウガウッ!」

    延々と続く.
    せっかく尋ねて来てくれたお客さんを,早々に追い出してしまう.

    2年ほど前,自他共に認める犬好きのゲストが来た.
    さっそくカイラの抗議が炸裂したが,そのゲストは辛抱強かった.視線を逸らせつつ機を見て声をかけ,礼儀正しく丁寧に挨拶し,彼女の気が静まるのを待った.
    そして説得すること20分,2人の関係に確かな変化が現れた.
    カイラが吠えるのをやめ,愛撫を受け入れたのだ.

    実は,その光景を見て,私は密かに感動していた.
    犬が警戒心を理性でコントロールし,人の呼びかけに応えようとしたのだから.
    誠意がカイラの凍てついた心を溶かしたのだ.
    もう大丈夫だ.
    対決を克服して築かれた絆は,ちょっとやそってでは壊れないはず.

    肩の荷を下ろして(?)ほっとしたゲストは,居間に移動してしばらく私たちと歓談した.
    約30分ほど.
    その後,試しにもう一度土間に入ってみると,なんと真っ先にカイラが駆け寄ってくるではないか!
    おいおいもう大歓迎かよ,と微笑ましく眺めていたら,30cm手前で踏ん張って開口一番,

    「お前はぁ,誰だあっ!!!」

    絆はともかく,記憶はわりと簡単に消えるようです...orz


    ...などと懐かしく思い出しながら書いていたら,カイラがいきなり吠えだした.どーやら,ストーブの前で眠りこけていて,ふと気づいたら服を着替えたHiroが立っていた,とゆーわけらしい.

    びっくりしたのはわかるけど,もうちょっと大らかに生きて下さい.
     

    日曜日, 3月 21, 2010

    膝乗りDNA

    考えてみたら,犬の抱っことか膝乗りってすごいことかもしれない.
    4つ足浮かせて身体を完全に預けちゃうんだもんね.

    カイラ一族はこの血が濃くて,他家に行った兄弟も含めて抱っこマニアが多い.
    ぐは抱き上げると,まぐろみたいにびちびちして,これはきっと彼なりに何かに抵抗してんだろーなーと思ってたが,最近は膝族(かい,きゃち,ぺじ)がうらやましくなったのか,ぐったりと(笑)身を預けてくるようになった.

    抱っこには少なくとも2つのモードがあって,人間に甘える以外に,他犬へのアピールみたいな感じのときがある.ぺじはその辺わかりやすくて,部屋で甘えるときはでへへ~と崩れた顔でよじ登ってくるくせに,裏庭では,ピピピッと耳を立てて他犬を見下ろしている.

    だからっつーわけでもないけど,あんまりひょいひょい抱き上げるのも良くないかなと,最近はちょっと反省している.
     

     
     
     
     
     
     
     
     
     
    膝...
     

    金曜日, 3月 12, 2010

    薪が尽きた

    調子に乗ってガンガン使っていたら,あれほど豊富にあった薪が,もうほとんど底をついてしまった.春を目前にして,今年も灯油を購入しないといけない.
    ご利用は計画的に.
    それでも,たとえ一時にせよ,悲願だった"ケチケチせずにストーブを焚く"ことができたからヨシとしよう.

    それに今年の画期的なところは,すでに来シーズン用の薪まで積んであるというところ.量も今回の1.5倍くらいあるから,来年は暖房費ゼロが実現できそうだ(本当はトラックのレンタル代とか結構かかってるけど).
    面倒と言えば面倒だが,最近では「季節の準備をする」というのも貴重な経験かもしれない.

    それにしても,樫の木は最高だったなぁ.
    充分乾燥させてもずっしりしてて,何といっても火持ちが抜群!
    吸気口を締めとくだけで,半日経っても熾った炭がいくつも残っている.おかげで灰を掻き出すのに苦労したが,早朝でも家中がほんのり暖かかった.

    細い小枝たちも,可憐な姿に似合わず芯のしっかりした働き者だった.
    火力の必要な料理の時には随分重宝した.
    その炎には,情熱的でありながら凛とした気品があった.
    もしかして,そんじゃそこらの平民薪ではなく,高貴な血筋のご令嬢だったのかもしれない(こればっか).
     

    土曜日, 3月 06, 2010

    入学祝

    娘が,そんな喜ぶか?っちゅーくらい舞い上がっている.
    進学が決まったからではない.
    それをダシに祖父にねだり,ここ5年来の悲願だった携帯をゲットしたからだ.

    相手は親とクラスメートくらいしかいないはずなのに,肌身離さず,暇さえあればポチポチやっている.
    ジュースの出るボタンを押しまくる猿みたいだが,それでも勉強のときよりは充実した表情をしている.

    まぁ,ぼーっとTV観てるよりは良いかもしれない
    それに何であれ,集中してるときの表情って好ましい.
    人も犬も.
    (今,膝の上で1頭の犬がものすごく集中して寝ている)

    ま,とりあえずの環境と道具は揃った.
    あとは,どれだけ良いネットワークを築けるか,だ.
    これだけは彼女自身の資質と心がけの問題で,親や道具がどうこうできるもんでもない.
    頑張ってください.
     

    日曜日, 2月 28, 2010

    事件

    昨日,ファームに来ていた友人の一人が,会話の中で「だいなりすくなり」と口走った.
    「大なり小なり」を言い間違ったのである.

    その人は慌てて発話を重ね,その場を取り繕おうとした.
    居合わせたメンバーもまた,オトナであった.
    全員が顔色一つ変えず,そのままスルーすることに暗黙裡に同意した.
    あまりのバツの悪さに,できることなら,自分の聞き間違いだと信じ込みたかったということもあるだろう.
    だから本来,その失態は無かったものとして忘れ去られ,そのまま平穏な日常が戻ってくるはずであった.

    ところが,Hiro.
    関西で暮らし始めて以来,発音や言い回しが人一倍気になる彼女は,堪らず聞き返してしまったのだ.
    「え,だいなりすくなりぃ?」
    その瞬間,この事件ははっきり意識化され,人々の記憶に刻まれてしまった.
    もう取り返しはつかない.

    それにしても,なぜに「だいなりすくなり」?

    「大なり小なり」という表記が頭の中で「大なり少なり」にすり替わり,さらに「少なり」が「すくなり」と発音されてしまったのだろうか.「多かれ少なかれ」という言い回しの影響も少なからずあるかもしれない.
    それでも,それが言い易いのならまだわかる.
    むしろ「だいなりこなり」とか.
    それがどーして,よりによって発音の難しい「すくなり」になってしまったのだろうか?
    謎は尽きない.

    まあ理由はどうでも良い.
    問題は,それが現実に起こり,こうして人々に知れ渡ってしまったということだ.

    なんと痛ましいことだろう.
     

    金曜日, 2月 19, 2010

    蜜月物語(6) -ある破局-

    愛とは,,,信頼とは,,,かくも脆いものだろうか?
    カイラに嫌われてしまったかもしれない.

    悪いのは私だ.
    全て私の責任,身から出た鯖(@中崎タツヤ).
    気の進まない彼女を,無理やり風呂に入れてしまったのだ.

    それがシープドッグだから,それが魅力だからと,
    たとえ泥だらけ草まみれになっても,
    一度も身体を洗ったことがなかったのに,
    君が最近やたらと痒そうにしていて,
    時に血がにじむまで身体を引っ掻くもんだから,
    それを見ているだけの自分が許せず,
    頭が混乱し,
    ついにシャンプーという暴挙に出てしまったのだ.

    風呂場の壁に貼りついてシャワーを浴びる君の表情は,怖れと驚きと,そして何より,この世でただ一人信頼する者に裏切られた絶望とで凍りついていた.
    あの大きく見開かれた両目のイメージは,おそらく生涯,私の脳裏に焼きついて離れないだろう.
    もう,取り返しはつかない.

    ♪ あの時 同じ花を見て
      美しいと 言った二人の
      心と心が 今はもう 通わない
      あの素晴らしい 愛をもう一度ぉぉぉ ♪♪

    あぁ,いけない.
    知らないうちに大声で歌っていたようだ.通行人がびっくりしてこっちを見ている.

    そもそも私は,何をしに,どうやってこの駅前広場に来たんだろう?
    なぜ包丁を握りしめてるんだろう?

    それにしても,,,なぁカイラ,お願いだからその目で私を見るのは止めてくれないか.
     

    蜜月物語(5) -手で甘える-

    一週間ぶりに会うと,それはもう寂しかったとかき口説くように,きゅんきゅん鼻を鳴らして足をよじ登ろうとする.
    仕方なく抱っこしてやると,まだダメ!と言わんばかりに腕の中で身をよじる.
    で,ようやく落ち着いてきたら,前手でこっちの顔を "てしっ" って押さえる.

    もう胸痛くなるんですわ,カワイイっつーより.
     

    金曜日, 2月 12, 2010

    使命

    本当は他に書くべきことは一杯ある.

    そう,例えば愛車のぺぐの足跡がまだ消えないとか,丹精込めて作った餌置き台の上ににしきが馬フンを落としたとか,集落の新年会がエキサイティングだったとか,メス犬3頭に次々とヒートが来てぐが大騒ぎだったとか,磐石に思えたコルツがセインツに競り負けたとか,雪で鳥エリアの網がつぶれたとか,せっかく子供が店長なのに「〇〇は減税」「補助金も!」って夢の無いセリフはいかがなものか?とか,ヤギの暴力がエスカレートしてるとか,グーグル音声検索の性能にびっくりしたとか,脱走したバリケンが2シーズン目の冬も乗り切りそうだ,,,とか.

    そもそも,生活や仕事の環境が大きく変わろうとしてるときに,下らんこと書いてへらへらしてる場合か?という厳しいご批判もある.

    それでも,私は今,カイラのことを書かなければいけないと思う.
    なぜなら,私が書かないと世界の誰も書かないから.

    きっとこういうのを使命とか宿業とか言うのだろう.
    ねーカイたん!?
     

    水曜日, 2月 10, 2010

    2人の蜜月物語(4) -ないしょ-

    いつものように抱っこしていると,指先があばらに触れる.
    随分と痩せているようだ.

    「どうかした?」と訊いても,表情を曇らせたまま押し黙っている.
    「おなか,空いたのか?」と重ねて尋ねると,ようやく,私にだけわかる仕草で「うん」と言う.
    どうやら,満足に食べさせてもらっていないらしい.

    カイラは頭も身体も活発だから人一倍栄養が必要だ.
    それに彼女の気の毒な境遇を思えば,ごはんくらい腹一杯食べさせてやりたいと願うのが人の情というもの.
    だからフードを多めにしてやるのだが,継母はそれを見咎めて「エサ増やすとPになるから止めて」と禁止するのである.
    ちっ!

    せめて,二人きりのときはこっそり栄養補給してやるとしよう.

    「おーそーか,よしよし.パパがオヤツをあげよう」
     

    2人の蜜月物語(3) -朝のあいさつ-

    朝,おはよう代わりに「今日,何する?」って聞いたらカイラ,「今日は"良い子"する」だって.

    もほぉぉぉ,こいつぅぅぅ.
     

    木曜日, 2月 04, 2010

    2人の蜜月物語(2) -よじ登る犬たち-

    カイラは膝乗り犬である.

    人は甘やかしてると非難するが,座ると一目散に寄って来て,寂しいと訴える子を誰が無視できるだろうか?
    それでも,しばらく無関心を装っていると,涙を一杯溜めた目で下から見つめている.
    これに抵抗できるほど,私の意志は強くない.

    仕方なく微笑んで見せると,にじにじと膝によじ登ってくる.
    スポイルしちゃいけないと思いつつ,その健気な様子に思わず手を貸してしまう.
    この世には,人の力ではどーしようもないことがある.

    Hiroはそんな私たちを冷ややかな視線で見るが,そういう彼女の膝の上ではペグが熟睡していたりする.
    そしてその横ではなんと,娘の膝上にきゃすが丸まっている.
    2頭ともカイラの娘である.

    なんじゃ?この一族は.
     

    連載企画 2人の蜜月物語(1) -小公女カイラ-

    彼女は,自分の出自に関しては,口を閉ざして語ろうとしない.(他のことも一切しゃべらないが)
    一応,異国のとある農家で生を受け,幼年時代を過ごしたことになっているが,その所作の端々に,生まれの違いを感じてしまうのである.

    例えば,彼女はよく腹を見せる.
    俗に言うアラレもない姿で,見てるこっちが恥ずかしくなるのだが,当の本人にはそれを恥ずかしがる気配が毛ほども無い.貴婦人は,自分では着替えをしないので,人に裸を見せるのが平気だと聞いたことがあるが,彼女の場合も,どこかそういう無神経と紙一重の鷹揚さを感じさせるところがある.

    また,立派に成人し母にもなった今でも,ささっと居間の片隅で用を足して,私たちの度肝を抜くことがある.「したい時にするのよ.後は始末しといてね」的なあっぱれ不遜な態度は,とても一般庶民の理解の及ぶところではない.

    思うに彼女は,今でこそ単身異国のファームに身を寄せてはいるが,実は何か極秘の事情で没落&離散した,富貴な家の出ではないだろうか?
    ヨーロッパ辺境の王族の末裔とか.
    うん,きっとそうに違いない.

    そんな彼女にとって,日本の継母Hiroの躾はさぞや厳しいことだろう.
    それでも,持ち前の明るさで,毎日を気丈に過ごしている.
    ちょっと心が狭すぎる嫌いもあるが,持って生まれた気位の高さと考えれば,それも充分理解できるのである.
     

    金曜日, 1月 29, 2010

    iPadは誰のもの

    「Appleが"iPad"発表」という記事を見つけてちょっとびっくり.

    すぅぱぁじょーく史上初の野心的パロディ作品「愛犬家は電気犬の夢を見るか?」の中で同じ製品名を使ったから.

    そりゃ日本は遠い異国かもしれないが,挨拶一つ無いというのはどういうことか.
    商標登録しといて,買い取ってもらえばよかった.

    ...って思ってたら,富士通がわざわざ商標申請していたらしい.
    Appleを提訴するのもいいが,まろに挨拶一つ無いというのはどういうことか?
     

    金曜日, 1月 22, 2010

    逃走

    天気が良かったので,カイラとサンを敷地に放流してやった.
    何が嬉しいのか,カイラは外に出すと決まって家の周囲をバカ走りする(駆けつけ3周).
    それでも,すぐに落ち着いて2頭でその辺をブラブラしだしたので,今日の焚きつけを作ろうと,手斧で建材を割り始めた.

    あ,そういえばサンはこーゆーの苦手だったっけと,周りを見るともう姿が見えない.
    慌てて家の周囲を見渡すと,,,いる!,,,すでに豆粒のようになったサンが,500mほど先の田んぼの中を駆けていく.
    逃げるというよりは,用事を思い出したのでちょっと失礼します,みたいな確かな足取りで遠ざかる.

    大声で呼んでみたが,,,わかってる,無駄なんだよね.
    こういうシチュエーションでは,彼は聞こえないフリをしてズンズン行ってしまうのだ.
    すぐに,他人様の家の向こうに見えなくなってしまった.

    放っとけば帰ってくるとは思いつつ,何か事故があると嫌だから,すぐに車で探しに出たのだが,なんせ周囲360度どこへでも行ける田舎,発見できなかった.
    仕方なく,家に戻ってさてこれからどうするベと考えながら馬小屋を掃除していると,30分くらいしてバツの悪そうな顔で帰ってきた.

    しばらく,無言で見つめあう2人.
    ま,しょーがないか.(何が!)
    こんなことしてっから,せっかくの休暇があっという間に終わっちゃうんだよ.
     

    馬のためなら

    でかいと言えば,ファームで飛び抜けてでかいにしき君.
    一昨年くらいまでは,呼びを無視したり尻を向けたりと,「人の世話にはならんっ!!」的な尊大な態度が眼についた彼だが,最近は給餌の1時間前に自分から馬小屋に帰り,閉じてもいない扉から首を伸ばしてこちらを見つめてたりする.文字通り首を長くして夕食を待ってるわけだ.
    自分で扉を閉めることができたら,きっとそうするだろう.
    必死のアピールがカワイイと言えなくもない.

    にしきは敷地のほぼ半分を独占して気ままに暮らしているが,そこは母屋からは離れた位置なので,人間や犬の様子は遠くから眺めるだけだ.
    人に馴れるように作られてきた馬には酷なことかもしれない,,,というわけで,母屋の隣の倉庫を仕切って,そこに馬小屋を作ることにした.

    内装工事に入る前に,先々週の(げっ,もう先々週やん)3連休を利用して倉庫を整理した.
     土曜: 資材と機材を整理.
     日曜: 単管と金網で作った鳥小屋を解体,撤去.
     月曜: ゴミの焼却と鳥フンの撤去&掃除.

    自分もHiroも「物を整理整頓する」才能にはまるで恵まれていない.
    この5年余りの間に堆積した機材や資材を整理するのは大仕事である.おまけにありとあらゆる事物がホコリとクモの巣と鳥のフンに分厚くコーティングされてて,目鼻へのダメージどころか,時として生命の危険さえ感じるほどだった.
    ふぅ.
    今は内装屋さんに仕切りや柱を作ってもらっているが,コスト削減のため,一部は自分たちで作ることになっている.

    恐いなぁと思うのは,これだけ苦労しても,ちょっとにしき君がイヤイヤすると,全てが水泡に帰するということ.
    身体はでかいが心は狭いからね~.
     

    水曜日, 1月 13, 2010

    寒いけど

    雪が降らないファーム周辺に比べ,英国はすごいことになってるようです.

    Snow across Great Britain

    スコットランドもウェールズも南イングランド(?)も真っ白.
    人間は大変だろうけど,犬たちは張りきってるんだろうな.
     

    金曜日, 1月 08, 2010

    ぺぐちん

    裏庭に3つの大きな穴がある.
    じぇち→ぐれぐ→カイラ→その娘たちが代々掘り継いできた,実にくだらない泥穴である.

    ぺぐは退屈すると,この穴に頭から突っ込んで土を掻き出し,飛び出した泥を追いかける.ときどき威嚇したりして.彼女が一人で開発した遊び("泥飛ばしてがるるる" 遊び)である.
    その他にもこの女は,いろいろな遊びを編み出した.

    ・"草取っちゃダメーッ" 遊び
    裏庭のフェンス際にかろうじて残っている草を引っ張ろうとすると,すごい勢いで飛び込んできて草を噛み千切る.昔,フェンスに巻きついた蔓を引っ張ったときに,彼女に向かってニヤッと微笑んだらこんな習慣がついてしまった(余計なことするんじゃなかった).どこでどう感づくのか,背中越しにコッソリ引っ張ってもあっという間に駆けつける.

    ・ど根性うしろ向きガエル
    「ポン」と声をかけると,こちらに正対したまま飛び上がってきて身体にべちゃっとしがみつく.犬を正面抱きすると妙な感じである.

    ・"何してるねん!" 遊び
    石でも草でも,しゃがんで何かイジろうとするとすっ飛んできてガンを飛ばす.何もせーへんっちゅうに.

    ・超高速スクラッチ
    ハウスで給餌を待ってるときとか,両手で縦柵を引っかく.いや,その速いことったら.パッドから煙が出そうである.

    あと,縦柵の隙間からすぽんすぽんと頭を出すとか,眠くなると人の膝によじ登るとか,ハウス内でジャンプしてモグラ叩かれするとか,,,遊びとは限らないが,とにかく,この犬のすることはことごとく変わっている.
     

    土曜日, 1月 02, 2010

    2010年の誓い

    別にぐーたらしてるわけじゃないが,やっぱり正月は寝そべる機会が増える.
    おかげで一つ発見をした.
    「自分の頭より高い位置で物を食べられるとイラッとくる」現象である.

    特に納豆とかうどんなんかのずるずる系で顕著である.
    この感覚は何だろう?

    納豆の糸が目の前に流れてくるとか,うどんの汁がはねるとか,そういう問題ではない.
    いや,それもあるにはあるが,もうちょっと人間関係の粘っこいところに絡んでいそうな気がする.例えば,普段は微笑みの挨拶を交わす隣人から「私の靴をお舐め」的セリフを言われたみたいな.

    う~ん,例えになってないか.
    とにかく,これからは立って食事しないように気をつけることにする.