水曜日, 2月 10, 2010

2人の蜜月物語(4) -ないしょ-

いつものように抱っこしていると,指先があばらに触れる.
随分と痩せているようだ.

「どうかした?」と訊いても,表情を曇らせたまま押し黙っている.
「おなか,空いたのか?」と重ねて尋ねると,ようやく,私にだけわかる仕草で「うん」と言う.
どうやら,満足に食べさせてもらっていないらしい.

カイラは頭も身体も活発だから人一倍栄養が必要だ.
それに彼女の気の毒な境遇を思えば,ごはんくらい腹一杯食べさせてやりたいと願うのが人の情というもの.
だからフードを多めにしてやるのだが,継母はそれを見咎めて「エサ増やすとPになるから止めて」と禁止するのである.
ちっ!

せめて,二人きりのときはこっそり栄養補給してやるとしよう.

「おーそーか,よしよし.パパがオヤツをあげよう」
 

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