水曜日, 6月 30, 2021

栗の実

へ〜もうこんな時期から実をつけてるんだ。

ちっちゃくて若葉色でとても可愛いんだけど、トゲはもうしっかりしてて「私に触らないで!イヤラシイ」とお付き合いを拒否している。

そんなこと言わずに秋になったらまた会いましょう。



土曜日, 6月 26, 2021

犬は見ている(5)

子犬たちがおっぱいを卒業してギャング団になった頃、疑問というか不安に思ったことがある。家畜たちの世話をする間、成犬たちには仕事を手伝ってもらったりブラブラしてもらったりするのだが、その間、子犬たちもフリーにさせていた。足元にジャレついてさぞ邪魔かと思いきや、子犬たちは成犬が相手にしないヤギやアルパカのゲート前に陣取り、気の毒な動物たちを睨みつけていた。邪魔にならないのはありがたいのだが何が不安だったかというと、毎日毎日見つめ続けているとそれに飽きたり満足してしまったりして、eyeが弱まってしまうんじゃないか?ということだ。

結果から言うとそれは杞憂だったようで、その兄弟たちは強いeyeを持った(ということは集中力や落ち着きも兼ね備えた)成犬に育っている。

思うに見つめている間、彼らの頭の中では凝視→期待→報酬のループが形成され、モチベーションが強化されこそすれ弱まることはなかったのだろう。内的な報酬がある行動に飽きや慣れを心配する必要はないし、逆に報酬ループを人為的に操作することも難しい。結局、集中力や忍耐力はトレーニングで強化するものではなく、せいぜいそれを妨げないようにするしかない、、、というのが、自分なりの結論である。

ちなみに「集中力+トレーニング」でググってみると、もちろん人間相手の話だけれど山のように記事が上がってくる。内容的には似通っていて、呼吸を整えたり、リラックスしたり、睡眠を十分取ったり、アロマテラピーしたり、栄養バランスを考えたり、ストレスを減らしたり、音楽を聞いたり、、、要は体調を整えて気を静めることくらいしか言ってない。筋肉を鍛えるのとはちょっと勝手が違う。この辺の事情は犬でも同じではないだろうか?

Eyeのモーターパタンは生得のもので、それ自体は人が作り出したり強化することはできない。できるとすれば幼年期に「十分発現させてやる」あるいは「発現を妨げない」ことだろう。あとは環境を整えてストレスを減らし、集中を妨げるものをできるだけ遠ざけるしかないのだ。

ただ一言に「環境を整える」と言ってもなかなかそうはいかないのが現実だ。とりあえず、最大のストレスである「人との関わり」を減らすことから始めるのがいいと思う。 

(一旦終了)


金曜日, 6月 25, 2021

犬は見ている(4)

 話はもっと逸れるけれど、書いてるうちに独り合点したことがあるのでついでに書いてしまおう。

そもそも狩のモーターパタンはペットとしての犬には不要なものだ。だから大抵の犬種ではできるだけ持たせない/出現させない方向でブリーディングされてきたはずで、特定の用途に使役したいときに限り、必要なステップを選択的に強化してきた。

ただ相手は機械ではなく生き物だ。確かに狩のモーターパタンは8ステップで説明できるかもしれないが、モデルはあくまでモデルだ。実際にはステップ間の明確な線引きは難しいだろう。あるステップだけ強化しようとしても、それはモーターパタン全体に対しても影響したはずだ。

何が言いたいのかというと、羊追いもそうだけど、レトリーブやハンティングに利用するためにモーターパタンを活用するけども、噛みつきや車追いなどの問題行動は矯正するという考え方は、手前勝手に過ぎるんじゃないか?ということだ。いや、そもそも「問題行動」と命名して涼しい顔でいられる神経が嫌だ。

問題行動も犬のモーターパタンの一部だ。Eyeを愛でるなら、それと同じように問題行動も尊重すべきじゃないのか。闇雲に押さえつけるのではなく、起きやすい状況を避けるとか、それが難しいなら飼い主として全力で庇ってやるとか、いっそ飼い主から身を引くとか、、、いやそれらが全部無理でも、せめてそういう風に思いを巡らすくらいのことはしてもいいんじゃないか?と思う。

書いてるうちに妙に興奮してしまったけど、これって人のモーターパタンかもしれない。

(続く)

火曜日, 6月 22, 2021

犬は見ている(3)

用語を使ったついでに「モーターパタン」についても触れたい。この用語のベースには、習性や反射と呼ばれるような行動は「判断して行動する」というよりあらかじめ脳内に用意されたプログラムを駆動して実行される、という考え方がある。以下はある記事からの受け売りだが、捕食動物には「狩のモーターパタン」が生得的に備わっていて、それはorient(位置取り)⇨eye(注視)→stalk(忍び寄り)⇨chase(追跡)→grab byte(捕獲)→kill byte(殺傷)→dissect(解体)→consume(摂取)の8つのステップで完成する。

単独で捕食する動物は全ステップを1頭が担うが、群で狩をする動物の場合はその種類や個体によって各ステップの強弱が異なる。例えばボーダーコリーなどのヘッダー・シープドッグでは前半の4つのステップが、ヒーラー(オーストラリアン・キャトルドッグなど)ではchaseとgrabステップが選択的に強化されたと考える。逆にガード・ドッグではほとんどのステップが縮退し、最後のconsumeだけが残っている(だから彼らは「解体された」肉しか食べないし、子犬時代に狩遊びをしない)。

ここからは個人的な意見。

4つのステップのうち、前半のorient、eye、stalkと後半の4ステップでは、求められる資質が違う。前者には集中力、忍耐力、持久力、冷静さなどが、後半には瞬発力、闘争心、高い身体能力などが求められる。chaseはその中間といったところか。

ボーダーコリーには主に前半の資質が求められるわけだが、ここでまた疑問が生まれる。それは、瞬発力や身体能力はいくらでもやり方がありそうだが、集中力や冷静さなどはどうやってトレーニングすればいいんだろう?ということ。要はeyeがトレーニングで強化できたらいいのに、、、と思ったわけだ。

(続く)

月曜日, 6月 21, 2021

犬は見ている(2)

...てなことを常々考えていたのだが、だいぶ前に読んだ「なぜビル・ゲイツは子供が14歳になるまでスマホを持たせなかったのか」という記事の内容が当てはまるかも、と最近になって思った。ベストセラーにもなった「スマホ脳」という本を元ネタにした記事である。

神経伝達物質の1つで、やる気や幸福感をもたらすとされるドーパミンは、実際の報酬(お金、食べ物、承認、新しい経験など)が得られたときよりも、その直前のタイミングでもっとも盛んに放出されるという。つまり報酬そのものよりも「得られるかもしれない」と期待が膨らんだときに、一足先に脳内では報酬が得られている。これをスマホに当てはめると、実際に情報を見なくてもSNSやチャットの着信音が鳴った時点でドーパミンが放出されるということ。この手軽で頻繁な刺激⇨報酬サイクルによってスマホが手放せなくなり依存が形成されるというロジックだ。

このメカニズムが本当かどうかはわからないが(生き物のことだから、どーせいくらかは当たっていていくらかはハズしてるのだろう)、この「期待で報酬が得られる」仕組みは、見つめ続ける犬たちに当てはまると思う。彼らは漠然と見ているのではなく、何かを期待して(ドーパミンか何か知らんけど)ワクワクしている。だからこそ毎日毎日、1時間でも2時間でも見つめ続けていられる、、、というより見つめずにはおれなくなるのだろう。そのしつこさや執着には、嗜癖や依存の匂いがする(ちなみに嗜癖や依存は、「生きがい」「打ち込める仕事」「ハマりまくった趣味」などの別名でもある)。

残る疑問はじゃあ何を期待してるのか?ということだが、それはやっぱり相手の「動き」だろう。それしか考えられない。「お前動くのか?動くのか?いーから動いてみろよ!」とか「次は右に動くのか?それとも左か!?」みたいな。

とてつもなく下らなく聞こえるかもしれないが、それが彼らのモーターパタンの「クセ」であり、そうなるように仕向けられてきたのだから仕方がない。私たちは彼らの背負う歴史を敬意を持って見守るしかない。

(続く)

日曜日, 6月 20, 2021

犬は見ている(1)

 以前の投稿ではぶれいど君をダシにして申し訳なかったけれど、本当はこれをある話題のマクラにしようと思っていた。うまくまとめる自信はないが、とにかくその続きを書いてみる。

「この男は一体何が嬉しくてこうしてるんだろう?」この情景を見るたびに、頭の中に浮かぶ疑問である。もちろん彼だけじゃない。仕事の時に羊を睨むのはしょうがないとして、仕事が終わってフリーにさせてるのに鳥小屋に張りつくやつ、他の犬をつけ回すやつ、ヘビと睨めっこするやつなど、思い思いのターゲットを見つめている。もちろん、ずっとフラフラしてるやつだっているし、その辺は犬それぞれだがファームの犬には「見つめる」派が多い。

指図されたわけでもないのに毎日飽きずにやるということは、この行動に何かメリットか報酬があると言うことだ。生まれ持っての衝動なのかもしれないが、衝動にしたってそれを駆動する何かはあるはず。ただ、じぇいを見つめることで些かでも「良きこと」が訪れるとは思えないから、おそらく報酬は内的なものだ。そこまでは想像がつくのだが、その先はよくわからない。

覗き見やストーキングの趣味はないからこればっかりは共感できないし、自分を犬にして想像を膨らませてみても一向にピンとこない。

実は溝の中には網に絡んだヘビが、、、


(続く)

金曜日, 6月 11, 2021

実録!コールダックのDV

世界最小のアヒルなんだそうな。鳴き声で獲物の居場所を知らせるように改良されたそうで、いつもペチャクチャ小うるさい。唐突にアハハハハハハハァと嬌声を発したりもする。笑いカワセミか!?

繁殖期にはオスたちが攻撃的になる。小さいからと侮ってはいけない。あのふざけたヘラ口でバチンバチンとやられると結構痛いのだ。

で、お世話させていただきながら一方的に攻撃されるという、理不尽で屈辱的な情景が毎日繰り広げられる。やられっぱなしは悔しいから、恥を忍んで証拠映像を公開する。



月曜日, 6月 07, 2021

待機中

じぇいを追撃すべく、先回りして窪地で待機するぶれいど君。

30秒?1分?10分?正確にはわからないけれど、モーレツに不毛な時間が流れる。ほぼ毎日、朝夕少なくとも1回ずつはこれをやるから、多分1000回以上はおんなじ事やってる。

じぇいがやって来ると2人で疾走するのだが、1番の醍醐味はこの体勢からダッシュする瞬間にあるようだ。

本当にアホらしい。 

火曜日, 6月 01, 2021

神樹

第1放牧場の一隅に聳える大木。

フェンスの際々に突っ立ってどっちかって言うと貧相な木だったのに、いつの間にか放牧地の主のようになってしまった。ここまで大きくなると訳もなく畏敬の念が湧いてくる。

本当は木の葉のざわめきを動画で伝えたかったのだが、この日はまったくの無風で断念、朝日の中の静止画で我慢することにした。

ネットで調べるとニワウルシとか神樹と呼ばれる外来種らしい。やたら成長が早くて、注意して見ているとあちこちの道路脇で見かける。もう10年もすると日本の道路風景が変わってしまうかもしれない。

実は昨日、この木の根元に犬の遺骨の一片を埋めた。みわファームを始めた頃、まだ背の低かった木の下で走り回っていた子犬たちの1頭。今の飼い主さんが、幼い日を忍んで遺骨持参で訪ねてきてくださった。

飛び抜けた才能は無いけれど、とても気が優しくて駆けっこが大好きだった女の子。これまでどんな景色を見てきたんだろう?

これからはこの木と一緒に、後輩たちの走りを見守っててください。