月曜日, 3月 22, 2010

蜜月物語(回想編) -一からやり直し-

誰のせいか知らないが,カイラは他人に対して心が狭い.
客人が土間や裏庭に入ってくると,わざわざ真正面に陣取り,4つ足を踏ん張って吠えたてる.

「お前は誰だ!何しにきた!近寄んな!何とか言え!ガウガウッ!」

延々と続く.
せっかく尋ねて来てくれたお客さんを,早々に追い出してしまう.

2年ほど前,自他共に認める犬好きのゲストが来た.
さっそくカイラの抗議が炸裂したが,そのゲストは辛抱強かった.視線を逸らせつつ機を見て声をかけ,礼儀正しく丁寧に挨拶し,彼女の気が静まるのを待った.
そして説得すること20分,2人の関係に確かな変化が現れた.
カイラが吠えるのをやめ,愛撫を受け入れたのだ.

実は,その光景を見て,私は密かに感動していた.
犬が警戒心を理性でコントロールし,人の呼びかけに応えようとしたのだから.
誠意がカイラの凍てついた心を溶かしたのだ.
もう大丈夫だ.
対決を克服して築かれた絆は,ちょっとやそってでは壊れないはず.

肩の荷を下ろして(?)ほっとしたゲストは,居間に移動してしばらく私たちと歓談した.
約30分ほど.
その後,試しにもう一度土間に入ってみると,なんと真っ先にカイラが駆け寄ってくるではないか!
おいおいもう大歓迎かよ,と微笑ましく眺めていたら,30cm手前で踏ん張って開口一番,

「お前はぁ,誰だあっ!!!」

絆はともかく,記憶はわりと簡単に消えるようです...orz


...などと懐かしく思い出しながら書いていたら,カイラがいきなり吠えだした.どーやら,ストーブの前で眠りこけていて,ふと気づいたら服を着替えたHiroが立っていた,とゆーわけらしい.

びっくりしたのはわかるけど,もうちょっと大らかに生きて下さい.
 

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