木曜日, 4月 26, 2018

毛蟹ツアーがあるんやから毛刈りツアーとかあってもえーんちゃう?

今年もこの季節がやってきた。

例年、4月なんてまだ余裕をかましてたのだが、今年はお尻に火がついたような感じだ。
暑い日が尋常でなく暑いことと、刈る頭数が増えたからだ。

Hiroさんの努力もあって、羊は13+5(子羊)頭にまで増えた。
毎年、毛刈りのテクニックは少しずつ向上していると思うが、それと同じくらいのペースで頭数も増えている。だから、負担感はなかなか軽減しない。
そりゃー、何百頭もいるような牧場からすれば、ほとんど誤差範囲みたいなもんでしょーけどー

それに去年からは飼育委託されたアルパカも加わった。
彼らも暑さには弱いし、毛は伸び続けるので、やっぱり刈ってやらないといけない。

羊は原則、保定と剪毛が1人でできるように、手順と道具が美しいまでに確立されているが、パカはそうでもない。ようつべを検索すると、紐で縛ったり壁に押しつけたり大勢で押さえ込んだりと、お前らみんな勝手にやってるやろ!状態である。まだまだ世界的にも試行錯誤なのかもしれない。

去年はアルパカ自体が珍しいこともあって、委託元にも協力いただきワーッと作業して乗り切ったが、今後定常的にやって行くためには、そこまで力をかけるわけにはいかない。
ああ、今日は燃やさないゴミ出す日やからちょっと捨ててくるわ、くらいのノリでないと続かない。
目を血走らせた鼻息荒い男たちにとり囲まれるパカも気の毒だし。

あーあ、それにしても気が重い。
ある日突然、広瀬すずがやってきて「毛刈りお手伝いさせてもらえませんか?お金払いますから」って言ってくれないかな?

日曜日, 4月 22, 2018

俺にまかせとけ

「よく知ってるけど、口にしたことがない」セリフというのが誰にでもあると思う。

この前、何かの拍子に「オレにまかせとけ」と口にしたことがあって、その時、あれ?何かうまく言えてへん、みたいな微妙な違和感を感じた。
なぜと自問してみると、要は「言い慣れてない」からで、そう言えば、生まれて一度も言ったことないかも!?ということに思い至った。

つまり、ある仕事なり課題なりを引き受けて、実行から結果責任までまるっと背負うという言動を避けてきたわけだ、自分という人間は。
なんという無責任な男なんだろう。

いやいや考えようによっては、安請け合いをしないという意味で、逆に責任感が強いのかもしれない。
ネプチューンの原田泰造みたいに、オレにまかせとけを乱発する人間にあまり頼りたくないと思うのは、自分だけではないと思う。

まぁその辺はどっちでもいいとして、自分にはこんな未使用ワードがまだまだ一杯あるような気がする。
頭の中に、「そんなバカなっ!」とか「お前に俺の何がわかるんだ!?」とか「前の車を追ってください」といったドラマや映画の定型セリフが、未開封状態で大量にストックされている。
そういうのってちょっと可哀想じゃないかと思う。
言ったことがないセリフを使ってみたい、ということがモチベーションになって、行動を起こすことだってアリだと思う。

筒井康隆氏の小説に、登場人物の社会属性(主婦とかサラリーマンとか女子高生とかヤクザとか)と言葉遣いをミスマッチさせた話があって、強烈な異化効果に驚いたことがある。
自由に会話している気でいても、がんじがらめと言っていいくらい、言葉が限定されているのが現代人なんだと、思い知らされる。

そういえば最近、セクハラやパワハラ、暴力沙汰などの報道が多い。
そのたびに「意識を変える」必要性が叫ばれるが、それこそ表層的な意識ならいざ知らず、内面化した意識を変えるなんてことが、そう簡単にできるはずがない。
セクハラ研修でいくらケーススタディを積み重ねても、ガハハ親父の性根は変わらない。

本心は話の内容ではなく口調にあらわれる、みたいなことをどこかの学者さんが言ってたが、ならば、意識を変えるのにまず言葉遣いを変える、というソリューションもあるかもしれない。
国会なんか杓子定規な官庁語を使うから、建前しか言えないのであって、答弁は飲み会用語を使うこと、というルールにしてしまえば、ぶっちゃけオレら小役人なんかさぁ、おエライさんの顔色伺うしかないわけよ、みたいな本音が、10回に1回くらいは聞けるかもしれない。
どーしようもないガハハ上司には、とりあえず主婦の井戸端会議か、女子大生の恋バナ用語くらいをマスターしてもらおう。
もう少し、相手の気持ちを斟酌できるようになるかも。

まぁそれは難しいとしても、一人称を替えるくらいだったらできそうだ。
相手との関係で一人称が変わるのが日本語の難しいところだが、それを逆手にとるのである。

実はこんなしょうもない文章でも、しっくりくる一人称が無くて、ずっと悩んでいる。
ワタシはリーマン時代の感覚が蘇るようだし、かといってオレは強がってるみたいだし、ワシはおっさんだし、ボクは年齢的に気がひける。
だから、できるだけ一人称は使わないようにしているのだが、どうしようもないときは「ジブンは」とか「コジンテキには」などを使っている。
はっきりいって苦しまぎれだ。

あれ、何の話をしてたんだっけ?
というのも、言ってみたかったセリフの一つです。

木曜日, 4月 12, 2018

輝かしい朝に

ファームの1日は、外飼い犬のうんち掃除から始まる。

犬が一晩にする量なんてたかが知れてるが、5頭分ともなるとかなり手強い。
人間と一緒で、仕事しないやつに限って大量にうんこする、、、気がする。
掃除しながら「もう、うんこすんなっ!」と毒づいてる自分は、あんまり好きじゃない。
    
最近はそれに、アルパカのうんち拾いが加わった。
日課にされてる方には賛同いただけると思うが、これは結講悩ましい作業なのだ。
ヒツジやヤギだと、フンはフィールド中に散らばってしまうので、そもそも拾い集めようなどという気も起きない。

アルパカはフン場を決めて、決まった箇所でする習性があるようで(タイミングが重なると、一列に並んで順番待ちしてたりする)、黒々と盛り上がった塊が、嫌でも目に入ってくる。
これは掃除せなアカンか~、という空気に追い込まれる。

実は見た目だけじゃなく、寄生虫予防の意味もあるから、せっせとうんち拾いしている。
両手にチリトリと熊手を持って、中腰をキープしたまま、ウサギの糞みたいなやつを集めて回るのは、かなりの重労働である。

いや、うそ、実はそれほどでもない。
そりゃ愉しかぁないけど、気候さえ良ければ、鼻歌が交じることだってある。
問題があるとすれば1日もサボれないことで(丸一日溜めてしまうと、見ただけで心が折れる)、朝夕の2回、できれば昼頃にもう1囘、雨が降ろうが槍が降ろうが、ジミすぎる作業を重ねないといけない。

自分のペースで適当にやれればいいのだけど、動物相手だとまったくそうはいかない。
このフラストレーションが文明発展の原動力なのだろうけれど、それにしても、アルパカのうんちって・・・