金曜日, 3月 09, 2018

勉強しません

ここに書いても詮ないことだが、あんまりメディアが書かないから書くのだけれど、今、高校教育がエライことになっている。
もう、信じられないくらい学力が低い、勉強もしない、だけど大学には行く、、、のだそうだ。
ある私立高校に勤める知人がいて、トンデモな実態を教えてくれた。

その高校には進学と普通の2コースがある。
勉学できる子は進学コース、そうでない子は普通コースという、私立ではわりとよくあるパターンである。

進学コースでは、難関大学を目指してひたすら受験対策に勤んでいる。
それが良いか悪いかは別にして、まぁ見慣れた光景ではある。

問題は普通コースだ。
クラブに賭けてる連中はしょうがないとして、そうでない生徒たちがもう完全に勉強のモチベーションを失っているという。
成績が悪くて進学を諦めたからではない。
そうではなくて、誰でも大学に行けてしまうからだ。

最近では多くの(いや、たぶん全ての)私立大学が、AO入試や指定校推薦と呼ばれる推薦入学枠を用意している。私大合格者の40%が推薦枠という数字もあるから、入学者の過半数が推薦という大学も珍しくないだろう。
しかも大学の数がこれまた多いものだから、こんな地方のパッとしない高校にも山のような推薦依頼が届く。

本来、推薦入学というのは、特定の分野で高い能力を持った生徒に対して、一般試験以外の門戸を開くことが主旨だと思うが、はっきりいって公募の推薦以外は、学生の頭数を確保する手段以外の何物でもない。
これは、授業料のためならなりふり構わないというか、かなり恥ずかしい実態だと思うのだが、声を大にして言う人はあまりいない(言論人の多くが、何らかの形で大学に関わっているからだろうか?)。

もちろん、各大学の推薦枠は限りがあるから、誰もが希望通りに応募できるわけではないが、大学さえ選ばなければ、志願者はほぼ全員が推薦を受けられる。しかも、一旦推薦が得られれば、よほどのことがない限り取り消されることはない。
学費の心配さえ無ければ、あとは大学生活の開始を余裕で待つばかりである(先の高校は、裕福なご家庭が多いらしい)。

しかも、さっき「大学さえ選ばなければ」と言ったが、実は、推薦依頼を出してくる大学の中には難関と言われる有名どころ(関西で言えば、関関同立みたいな)まで含まれている。
希望枠は成績順で埋まるから、そういう大学の推薦を狙って、わざとランク下の高校に入ってくる生徒もいるらしい。
入試で落ちた優秀な学生を尻目に、な~んも勉強しなかった◯カ学生が面接だけで入学するという、アンフェアな逆転現象も生じている

わずか数年とはいえ、将来の安楽が保証されている若者がいかに傲慢で怠惰になるか、知人は授業をしながら日々実感しているそうである。
「マジメなやつはカッコ悪い」という伝統的な風潮もあるだろうが、もう教師なんかそこにいないかのような態度で授業を邪魔する。
だったら学校に来なきゃ良いのに、と思うが、そーゆーやつに限って毎日せっせと通ってくる。
出席が不足すると推薦に響くからだろう。

で、高三にもなって、My father (am are is) an English teacher. レベルの問題に首をひねっている。
いや、問題を解く前に、問題文の意味が理解できているのかどうかすら怪しい。
こーゆーのが大学に行って、一体何をするというのだろう?