金曜日, 2月 19, 2010

蜜月物語(6) -ある破局-

愛とは,,,信頼とは,,,かくも脆いものだろうか?
カイラに嫌われてしまったかもしれない.

悪いのは私だ.
全て私の責任,身から出た鯖(@中崎タツヤ).
気の進まない彼女を,無理やり風呂に入れてしまったのだ.

それがシープドッグだから,それが魅力だからと,
たとえ泥だらけ草まみれになっても,
一度も身体を洗ったことがなかったのに,
君が最近やたらと痒そうにしていて,
時に血がにじむまで身体を引っ掻くもんだから,
それを見ているだけの自分が許せず,
頭が混乱し,
ついにシャンプーという暴挙に出てしまったのだ.

風呂場の壁に貼りついてシャワーを浴びる君の表情は,怖れと驚きと,そして何より,この世でただ一人信頼する者に裏切られた絶望とで凍りついていた.
あの大きく見開かれた両目のイメージは,おそらく生涯,私の脳裏に焼きついて離れないだろう.
もう,取り返しはつかない.

♪ あの時 同じ花を見て
  美しいと 言った二人の
  心と心が 今はもう 通わない
  あの素晴らしい 愛をもう一度ぉぉぉ ♪♪

あぁ,いけない.
知らないうちに大声で歌っていたようだ.通行人がびっくりしてこっちを見ている.

そもそも私は,何をしに,どうやってこの駅前広場に来たんだろう?
なぜ包丁を握りしめてるんだろう?

それにしても,,,なぁカイラ,お願いだからその目で私を見るのは止めてくれないか.
 

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