木曜日, 1月 09, 2014

日出ずる国でシープドッグを思う (5)

例えば、これまで色んなボーダーコリーを見てきて、一つの性格類型が形成されつつあるように感じている。
Hiroと私の間では、それを「フワフワした犬」と呼んでいる。特徴を一言で説明するのは難しいが、ざっとこんな感じ。

 ・ファームにいる間中、わりと愉しそうにしている。
 ・頭と尻尾が常に上がり気味。
 ・他犬と一緒でもケンカはしない。
 ・広い場所に出るとフラフラし始める。呼びも聞いたり聞かなかったり。
 ・共通する評価は「家ではよく言うことを聞く」
 ・羊にも結構突っ込んでいく。ただ、すぐに気が逸れる。
 ・「じっと見つめる」仕草をしない。基本的にキョロキョロしている。
 ・人への愛想はよい。ただし、目で語りかけてくるような感じは無い。

要するに、アウェーの場でも機嫌良くしていられるし、そこそこ言うことも聞くんだけど、集中力が無いというか、荒々しくないというか、どことなく「とりとめない」印象を受ける。
もちろん違いといったってわずかだし、単なる個性の範疇かもしれないが、いろんな農場で出会ってきた犬たちとは、やっぱりどこか違うという感じが拭えない。

私たちは、こういう気質が、犬と暮らすことの日本的な常識・良識の中で生まれてきたのではないかと考えている。もちろん交配の影響も大きいだろうけど、それに加えて、屋内飼いによる生活境界の消失や、ある種特徴的な犬に対する態度・習慣が相まって、そのような性格が形成されるのではなかろうかと。

それが良いとか悪いとか、好きとか嫌いとかは、また別の話だ。
フワフワしていること自体が問題なわけじゃ無いし、むしろ可愛らしく、どこでも一緒に行ける良いパートナーだと言える。
ただ、シープドッグのDNAを携えた犬を、極東の国で自分たちの枠組みで育てているという事実、それが性格形成に関わっているかもしれないという可能性には、自覚的であるべきだと思う。

(続く)

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