火曜日, 6月 22, 2021

犬は見ている(3)

用語を使ったついでに「モーターパタン」についても触れたい。この用語のベースには、習性や反射と呼ばれるような行動は「判断して行動する」というよりあらかじめ脳内に用意されたプログラムを駆動して実行される、という考え方がある。以下はある記事からの受け売りだが、捕食動物には「狩のモーターパタン」が生得的に備わっていて、それはorient(位置取り)⇨eye(注視)→stalk(忍び寄り)⇨chase(追跡)→grab byte(捕獲)→kill byte(殺傷)→dissect(解体)→consume(摂取)の8つのステップで完成する。

単独で捕食する動物は全ステップを1頭が担うが、群で狩をする動物の場合はその種類や個体によって各ステップの強弱が異なる。例えばボーダーコリーなどのヘッダー・シープドッグでは前半の4つのステップが、ヒーラー(オーストラリアン・キャトルドッグなど)ではchaseとgrabステップが選択的に強化されたと考える。逆にガード・ドッグではほとんどのステップが縮退し、最後のconsumeだけが残っている(だから彼らは「解体された」肉しか食べないし、子犬時代に狩遊びをしない)。

ここからは個人的な意見。

4つのステップのうち、前半のorient、eye、stalkと後半の4ステップでは、求められる資質が違う。前者には集中力、忍耐力、持久力、冷静さなどが、後半には瞬発力、闘争心、高い身体能力などが求められる。chaseはその中間といったところか。

ボーダーコリーには主に前半の資質が求められるわけだが、ここでまた疑問が生まれる。それは、瞬発力や身体能力はいくらでもやり方がありそうだが、集中力や冷静さなどはどうやってトレーニングすればいいんだろう?ということ。要はeyeがトレーニングで強化できたらいいのに、、、と思ったわけだ。

(続く)

2 件のコメント:

しょんのおかん さんのコメント...

貪るように読んでしまった1から3。そりゃあもう知りたくて知りたくて。
瞬発力と身体能力はどうでしょう?元々備わってないですか?トレーニングで強化できるものなんでしょうか?
興奮することは容易いので冷静になれと、これは人との関わりが鍵かなって。
いや〜次読みたーい!

まろ さんのコメント...

コメントありがとうございます。そう言ってもらえると励みになります。

集中力の強さって深さ(強さ)と時間の2方向がありますよね?
なんか深さの方って鍛え方があるような気がしてたんですが、見つけられませんでした。

興奮すると集中も高まるような気がしますが、それだと周りが見えなくなってしまうので、やっぱりボーダーコリーは基本落ち着いてる必要があると思ってます。でも穏やか過ぎても使えないし、その辺の匙加減が難しんですよね。