金曜日, 4月 30, 2021

猫の真理

猫のもなかくんのフードはドライタイプ主体にウェットフードをちょっぴりトッピングしたものと決まっていた。ウェットフードは割高だし栄養も偏るので、できるだけドライフードを食べて欲しいのだが、残すことがあるので仕方なしのトッピングだった。

でもやっぱりもったいないので一缶を一週間くらいかけてチビチビやっていたら、たぶん彼にはそれが不満だったのだろう、トッピングだけ食べ散らかしてプイといなくなる、なんてことが度々あった。そんな時はしょうがなくウェットを追加(ほんのちょっぴりだけど)して機嫌を取ったりしてきた。

そんな駆け引きを10年ほど続けてきたわけだ。

それがこの1ヶ月ほど、パタリと食欲が無くなってしまった。

まずドライフードを食べなくなり、それでもしばらくはウェットフードは食べてたのだが、すぐにそれもダメになり、水以外は一切口にしなくなった。

しょうがないので、ちゃおチュールなどという普段は絶対買わない嗜好品を買ってきて与えた。それですら自分からは食べようとしないので、口の周りにこすりつけて無理やり舐めさせていた。

これは流石におかしいと検査してもらったら腎不全との診断。猫の持病と言えるくらい多いらしいが、慢性の場合は元には戻らないからこりゃ大変だ。

何が大変って、薬を混ぜたちゃおチュールを1日2回も嫌がる猫の口に突っ込まないといけない生活が続くわけで、羊ヤギ鴨ニワトリ犬たちとエサ待ちの行列ができているファームでは、猫一頭にそんな手間暇をかけてられない(こともないのだけれど、正直煩わしい)。

ただでさえ拘束の多いファーム生活がますます不自由になるなぁと、ユーウツな気分になっていた。

ところが、2日ほど前からまた唐突に食欲が復活した。

昨日なんか朝からもう5回も催促され、その都度ウェットフードを与えた。

獣医さんには「症状が落ち着いたんでしょう」と言われたが、本当かなぁ?なんか釈然としない。ともかく今は以前にも増してよく食べている。こちらとしても自分から食べてくれるだけで嬉しくて、ケチケチせずにウェットフードをふんだんに与えている。

こうして、人からしたらどーでもいいことをなぜ延々と書き連ねてきたかというと、それが3日かかるか10年かかるかはわからないけれど、物事は結局は猫の思い通りになる、という真理を伝えたかったからだ。

今回のことも猫からしたら「この10年間ずっとウェットフードが食べたいゆーてきたやん、やっとわかったんか」というところだろう。


この無力感、他でもあったなぁ〜と考えてたら、すぐに思い当たった。ヤギだ。例え柵を作ろうがフェンスを強化しようが、最終的には彼らは行きたいところに到達する。

そう私たち人類は決して猫とヤギには勝てないのだ。

抵抗してもムダだよ。


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