金曜日, 8月 19, 2011

気に食わないやつ

つきあいが10年にもなる知り合いがいる。
あまり数の多くない男友達の1人、ということになるのだが、正直、どーも苦手だ。

別に悪い男じゃないし、イジワルをされたわけでもない。
どこがどうとは言えないのだが、普通に挨拶してるだけで、ついイラッとしてしまう。
相手もそう思っているようで、こちらを見る視線が微妙に険しい。
じゃあつき合わなければいーじゃん、と思われるだろうが、世の中そう簡単に割り切れるものではない。
お互いぎこちない気持ちのまま、今も結構頻繁に顔を合わせている。

最初の頃はそうでもなかった。
ツーカーの間、、、とまではいかなくても、むしろ話せばなんでも分かる相手だと思っていた。
それが、いつからだろうか、表面だけを取り繕うような関係になってしまった。

いや、わかっている。
きっかけは、あった。
5年ほど前、用事が終わって立ち去ろうとしたとき、こちらからかけた声を、男が無視したのだ。
完全に声が届く距離だったのに、なぜか聞こえないフリをしやがった。
そして、そこから10歩ほど進んだとき、男はひょっこり振り返り、声を出さずに口だけ動かしてこう言った。
「ば~か」
それ以来、私は人が信じられなくなってしまった。

その男は今も私の横にいる。
クソ暑い中、わざわざ身体をくっつけて、はっはっと喘ぎながら。
 

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