日曜日, 10月 02, 2011

もなかのな

シャイな猫は、見知らぬ人間が来るとどこかに隠れてしまって金輪際姿を見せないものだが、ヤツは必ずといっていいほどしゃしゃり出てきて、積極的に交流を図ろうとする。

ゲストの中には、猫嫌いや猫アレルギーもいるし、「近くにいるのはかまわんが、食卓に乗るのは絶対許せん」という人だっている。だから、ゲストを迎えたときは、とりあえずドアを閉め切って部屋に入ってくるのを阻止するのだが、間髪入れず、壁の向こうからカリカリという擦過音とともに「なーなー、入れてーなー」という声が聞こえてくる。

庭に出たときは、ガラス戸をきちんと閉めたかどうかを、まず第一に確認する。ヤツを庭に出してしまうと、デッキの下にもぐり込んで大変面倒なことになるからだ。
しょうがないから彼は、ガラスの向こうからじっとこちらを見つめている。さすがに退屈だろうと思うのだが、たまに虫をいたぶったりして暇をつぶしている。最初はそれほど気にならないが、1時間も2時間もそうやって居られると、なぜかこちらの気持ちが落ち着かなくなってくる。

そんな風に、いつも自分を最大限露出する上に、ぼてっとした存在感が尋常じゃないので、ほとんどのゲストはヤツの相手をせずにはいられない。
ほんと、すみませんねぇ。

人間嫌いの猫は素気ないけれど、人懐っこすぎる猫というのも、それはそれで面倒くさい。

てなわけで、、、もなかの"な"の字は「なじみすぎやろ」の"な"。


 

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