金曜日, 3月 04, 2011

2人の蜜月物語(14) -ずんどう姫-

ある田舎のお城で,中年の王子とカイラ姫が暮らしていました.

2人は誰もが認める公認の仲でしたが,誰にも知られていない決め事がありました.
王子に抱き上げられると,姫は身体を捻って王子の顔を舐めるのです.
こう言ってしまうと簡単ですが,横抱きされた状態で顔を舐めるには,相手側とは逆方向にぐぐぐぃと(約270°も)身体を捻る必要があります.
腰のくびれたナイスバディな姫でこそ可能な技でした.
王子はこれを「必殺エクソシスト舐め」と名づけ,密かに悦に入っていました.

しかし,今はその大切な儀式が出来ません.
最近城に住みついたちっちゃい魔法使いが呪いをかけ,彼女をずん胴にしてしまったからです.(超子供体型の魔法使いは,姫のスタイルが妬ましかったのです)
おかげで身体の捻りが浅くなり,あと少しのところで舌が届きません.
その度に,2人は少し悲しい思いをします.

「姫は私のことが嫌いになってしまったんだろうか」
「きっと王子様は私の愛をお疑いになるわ」

口のきけない姫は何とか気持ちを伝えようとしますが,いくら頑張っても,舌は空を切るだけです.
やがて失望した姫は,王子の腕を振りほどいて降りてしまいます.

魔法使いはイヂワルでした.
やっぱりずん胴のくせに,背中や太ももの裏を舐めて,身体の柔らかさを見せびらかすのです.
「ほれほれ~,こんなところもベロベロできる~」
わざわざ窓際に陣取り,肛門を見せつけて毛繕いする様は,本当に人を小バカにしています.
血気盛んな姫の侍従(ぺぐ)などは,窓の外で地団太踏んで悔しがるのでした.

・・
突然ですが,オチを思いつかないのでここから問題にします.
一念発起した姫は,敷地の周囲を全力疾走するという過酷なダイエットに挑みました.
食事量も減らしています.
でも,体型はずん胴のままです.(泣)
一体,なぜなのでしょうか?

1) 敷地に出たときに家畜のフンを食いまくるから.
2) 実は王子はずん胴が嫌いじゃないので,ついオヤツを献上してしまう.
3) 魔法使いはちっちゃいくせに大飯喰らいで,どんどん魔力が強くなっている.

正解は,,,全部でした.

おわり
 

4 件のコメント:

kuro さんのコメント...

まあ、2)だな。

本気でダイエットなら、食べ物を劇的に減らして1ヶ月かかります。

病気のときは3日で減るのだけど。

まろ さんのコメント...

>病気のときは3日で減るのだけど。

なぜなんだろう.
栄養を吸収しなくなるのかな?
 

kuro さんのコメント...

一生懸命戦うからそちらにエネルギーが行くとか?

そういえば、老犬は栄養を吸収しなくなって、
食べても食べても太らなくなります。

まろ さんのコメント...

そう言えば,若い頃から「パッツンパッツン」と称されたうちの猫も,往生間際はガリガリだったなぁ.
余ったお腹の皮が哀しかったです.