頭を撫でると,カイラは感極まったように「くぅ」あるいは「くふ」と鼻を鳴らす.
その瞬間,私と彼女の周辺には,誰も介入できない結界が形成される.
もちろん,こんなことをわざわざ教えたりしない.
2人が暮らしてきた生活の中で,何となく出来上がってきた一種のお約束である.
言うなればこれは,私と彼女が共有した時間の結晶なのである.
(あ,このおっさんうっとーしぃと思った人,これ以上読まない方が良いです)
さらに,それには私と彼女の持って生まれた形質,すなわち両親から受け継いだ身体と性格も,少なからず影響しているだろう.
そしてカイラと私の両親はそれぞれの祖先の人(犬)生を背負っており,さらにその祖先も,,,と遡っていくと,結局その小さな鼻音は,地球上の生命が38億年に渡って紡いできたあらゆる事象の帰結ということになる.
ここまで来れば,私が言いたかった「くぅ」=「宇宙の歴史」論まで行き着くのは,むしろ自然な推論だとご理解いただけるだろう.
ほぼ一週間おきに「くぅ」を聞くたびに,頭の中で小さなビッグバンが起きるのは,きっとそのせいなのだ.
2 件のコメント:
ふむ、、
まあ、、、
がんばれっ!
Kuroたんもね!
コメントを投稿