子どもが子どものままにとどまっていることを許した共同体は人類史上一つも存在しない。
存在したのかもしれないが、消滅して、今は存在しない。
成熟のメカニズム、共生と協働のための能力を適切に育成するプログラムを持たない共同体は、長くは存在できない。
そして、私たちの社会の教育システムはその本義を忘れて久しい。
(中略)
教育はその原点に還るべきだと私は思う。
子どもを成熟させるために何が必要か、それを問うのである。
それだけを問うのである。
そう問うたときに、「ほんとうの大人」であれば、自身の未熟を深く恥じるだろう。
大人がつねに自分の未熟を恥じる文化からしか、子どもを成熟に導くメカニズムは生成しない。
@内田樹
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