火曜日, 9月 28, 2021

羊と神2021

そー言えば、羊の尻をテーマにした小咄があったはずとブログを遡ってたら、前に書いた「羊と神」という記事が出てきた。よくこんなアホなこと考えつくなぁと自分で感心した。せっかくなので、10年ぶりに手直しして再投稿する。


たまたま、みわファームに神が降臨した。

神は全知全能にして、唯一無二のユビキタスな存在だから、姿かたちはどうだっていいのだが、その日はたまたま羊の恰好をしていた。
ただ意識はそこにはなく、ぼーっと放牧地に突っ立っておられた。
ここで「ぼーっと」というのは、私たち卑小な生物がそう感じるだけであって、神はちょうどそのとき、別の銀河系で勃発した同時多発超新星爆発のことを考えておられた、、、のかもしれない。

ファームには羊たちが20頭ほどいた。
彼らは見慣れない羊に違和感を覚えたが、とにかく群れたがる動物だから、何となく近くに寄り集まって草を食んでいた。
何かとんでもないことが起きそうな気がするけど、それはそのとき考えよう、、、と集まった羊たちが考えたかどうかは誰にもわからない。
神はまだぼーっとされていた。

そのうち、夕方の片づけの時間が来て、羊を小屋に帰すために犬が駆けこんできた。
羊たちは犬を避けようとしてか、あるいはエサにありつこうとしてか、ワラワラと羊小屋に向かい始めた。
神は別に行きたくはなかったものの、流れに逆らうのもアレなので、何となく一緒に羊小屋に向かった。(実はそのとき、意識はビッグバンの0.0003秒後の宇宙にあって、物理定数の修正作業に勤しんでおられた、、、のかもしれない)

小屋に戻ってからも犬の追跡は止まず、羊たちは小屋の奥にぎゅうぎゅうと押し込められた。
神さま羊もその中にあって、ブロック壁と羊に挟まれながらぼーっとされていた。

しばらくしてまろが小屋にやってきた。
彼はいつも注意が散漫なので、羊の数が増えていることに気がつかなかったし、ましてや神が姿を変えて目の前にいることなど夢想だにしなかった。

そして、な、な、なんと次の瞬間、10億年ぶりに神の意識が地球にフォーカスし、その0.1秒後にはコロナ禍と地球温暖化と資本主義の崩壊と打倒ヤクルト問題を一挙に解決する方策を思いつかれた。早速それを近くの地球人に告げてやろうとされたが、ちょうどまたそのとき、おばはん羊の巨大な尻がぶつかってきて、顔をブロックで強打してしまった。
「何すんねんっ!」
イラッとした瞬間、神はすべてのやる気を失い宇宙に拡散してしまわれた。

ということで、まろの不注意で世界を救う千載一隅のチャンスを逃してしまった、、、のかもしれない。
どーもそんな気がする。
本当に申し訳ない。

2 件のコメント:

しょんのおかん さんのコメント...

で、ど、どうなるんだ⁉︎ と白熱してしまった(笑)

まろ さんのコメント...

渾身の作品を読んでくれる人がいて幸せ・・・・