金曜日, 3月 27, 2009

羊と犬

漢字は古代中国辺境の遊牧文化圏で生まれたという説があるらしい.
だからヒツジは神聖な動物で,「羊」にまつわる漢字にはどこかしら好ましい意味が含まれるとのこと.

 美 善 祥 翔 洋 義 群 様 達 養 詳 膳 繕 窯 ...

なるほど,そう言われりゃそんな気が.
犬はどうだろ?

 献 獣 然 伏 突 臭 厭 獄 ...

どーも印象が良くない.
ケモノへんは「犬」が変化したものらしいので,これも並べてみると,

 犯 狂 狷 狭 狩 獲 猥 ...

やっぱり良くない.
「犬」はパートナーと言うより野卑なケダモノの象徴なのかな.
羊頭狗肉とか言うし.

思うに,その頃のその辺りでは犬にヒツジを追わすなんて発想はありえなかっただろう.
今でも,例えばモンゴルとか旅行して無邪気にシープドッグの話なんかすると袋叩きにあう,なんてこともあるかもしれない.
ぜひ,探偵ナイトで調べて欲しい.

でも,羊って確かに何か持ってる(イチローのインタビューじゃないけど).
「何も考えてない」度が超越してるというか,安易な擬人化を拒否してるっていうか,臆病なくせに揺るがないというか,バカバカしいを突き抜けて尊いというか...

キリスト生誕は確か羊が見守っていたし,村上春樹の「羊をめぐる冒険」でも,日本の戦後政治を支配するようなものすごい羊が出てくるしな.羊は常に無表情だが,人が臨終の時に一度だけ,笑いかけてくるという言い伝えまであるのです(ウソです).

ちなみに「羊」はヒツジの顔面をかたどったものだそうだ.
そのまんまやん...
 

2 件のコメント:

kuro さんのコメント...

私は、「箱根の山は天下のケン・・」の歌に出てくる、
「よーちょーのしょーけいは〜〜〜、こ〜〜け、なーめらか」
が「羊腸」と知ったときが、衝撃でした。

まろ さんのコメント...

Kuroさんのおかげで発見.
そーいや,昔の歌には自然を表現したものが多かったですよね.校歌にも山とか川とか海とか絶対出てくるし.
今の歌は愛とか恋とか人生とか人間関係のことばっか.
それだけ進化したのかな?