火曜日, 7月 31, 2007

カサブタ

カサブタと見ると嬉しそうに剥がしたがる人種がいるが,あーゆーのは解せない.

だって,あのカサブタの下では小さな精霊さんたちが,傷を癒そうと昼も夜もせっせと働いているのだから.
その目には,身体の内部から洪水のように溢れ出る細胞や体液,そして周囲から雲霞のごとく押し寄せる有害菌やバテリアや汚染物質がありありと見えている.
だからこそ精霊さんたちは,自らの危険や疲労を顧みず懸命に働いているのだ.
ただただ,主人を守るために...

昼夜不眠の突貫工事の末,ようやく修復できそうな見込みが見えてきたとき,彼らは精霊たちの忠君の証であり最後の砦でもあるカサブタを,笑みさえ浮かべながらべりべりと剥がしてしまうのだ.
後に残るのは,主人に裏切られ,志半ばで有害な酸素にさらされ干からびていく精霊たちの亡骸.

それでもあなたはカサブタを剥がすというのか?
この人でなし!

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