日曜日, 11月 19, 2006

突然のみわファーム戦記 -ととめめ自治解放区-

覚えておられるだろうか?
みわファーム戦記第一部で登場したヤギ戦士たちを.

実はこの2頭のヤギ,羊たちを召集する際に "おまけ" として払い下げられたものであり,ハナッから戦力として期待されていなかったのである.
ただ,姿を見てるだけで和むので,防衛軍のマスコットにでもなってくれたらいいさと,編入が許可された上,博愛主義の少女戦士によって 「とと」「めめ」 という名前まで与えられたのである.

しかし,やつらは案外やる.

決して鋭さは無いが,ハムハムモグモグと緩慢な攻撃を加え続けると,手も出せないくらいびっしり群生していた雑草地帯がそれなりに開けてくるのである.
防衛軍には,この真摯な態度と根気が何よりも求められているのだ(聞いてるか? 不真面目なにしき君).

というわけで彼らには,笹で踏み込めなくなった100mほどの荒地が仕切られ,そこを自治領とすることが認められたのである.
さらにその敷地内にはまろ隊員自作の屋根付き宿舎も建設され,彼らはそこで自由に行動することが許された.

そのかわり,本部からの食糧配給は減らされたわけだが,「やつらはちっとは痩せた方が良いよね.お金も無いし」と,珍しく参謀本部の意見の一致を見たわけである.

当初から淡い期待はあったが彼らの能力はそれを上回っていた.
最初,身の丈を超える笹で一寸先も見えなかった自治区は,1週間で地面が確認できるようになり,2週間で向こうの景色が透けて見えるようになった.
まろ隊員が刈り払い砲で泣きながら頑張っても,数日はかかる作業量である.
葉という葉を全部食われてしまった笹の群生地というのも,結構な見物である.
自治領内に健気に自生していた柿の木も,木肌を食われてほとんど生気を失ってしまった.

ただし痛い誤算が一つ.
参謀本部の熱い期待に反し,ヤギたちは一層太ってしまったのだった.
 

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