水曜日, 7月 27, 2016

はじめまして、これからよろしく

ファームに新入り犬を迎えるときは、大抵、フェンスのある裏庭に放して様子を窺う。
相手のことが何一つわからないので、何をするでもなく、ボォーっとした感じでただ一緒にいる。
退屈なようでいて、この時間は結構愉しい。

犬の態度は本当に個性的だ。
カイラは庭の隅でじとっ固まってた(らしい)し、ぐれぐはケージから出したとたん、バネ仕掛けみたいに飛びはねた。

今回迎えたLou嬢は、たぶんこんな態度が一番多いと思うのだけど、人から離れたフェンス際をふらふらし、ひたすら匂いを嗅ぎまわっている。
でも、視界の隅ではこちらを捉えていて、しっかり意識している。

それはこちらも同じ。
「別にあんたなんか興味無いしー」的態度を装いつつ、最大感度で相手の動きを追っている。
傍目にはまったく無為な、でも当事者にとってはドキドキするような時間が、10分、20分と過ぎていく。
いやー、やっぱ、おもしろい。
もしかして犬飼い醍醐味のベストスリーに入るんとちゃうやろか。

そのうち、手を伸ばせば触れるようなところを歩いてみたりして、犬の方から少しずつ距離を詰めてくる。
それでもまだ、こちらから手は出さない。
まぁ大丈夫なんだろうけど、もしかしたら警戒してちょっと身を引いたりするかもしれない。
そういうことはあまりさせたくない。

そして、たぶんこの辺が犬の悲しい習性なんだろうけど、やがて、どーしても匂いを取りたくなってきて、腕のあたりにツンと鼻をつけてきたりする。
このときに、ふざけて「ウッ」と唸ってみたら、きっと5mくらい飛びすさるだろうな。
やってみたい誘惑にかられつつ、もちろんそんなことはしない。
彼女が満足するまで放っておく。

1時間くらい過ぎると、少し気を許した感じになった。
身体も撫でさせてくれた。
態度はずいぶん落ち着いているけど、性格的には「明るい」子のようだ。
先住犬たちとも、問題無くやっていけるだろう。

輸入に手間取ったこともあって、一番不快な時期に迎えることになってしまった。
大変申し訳なかったです。
日本の夏にめげないでくださいね。

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