水曜日, 5月 20, 2015

ちょっと見直したよ、るぢ男くん

上司でも家族でも恋人でも何でもいいけど、自分に関心を持ってほしいと願うような人がいたとして、そういう人の力になれるというのは、きっと誰にとっても心躍る経験に違いない。
このとき、指示された作業をこなす場合と、そうでなくて自発的な行動が相手の役に立つ場合があるが、同じ感謝されるなら後者の方がうれしかったりする。相手に信頼された(に違いない)という思いが、大きな報酬になるのだろう。
昨日のるぢ男を見ていて、犬もそうじゃないかと思った。

昨日は恒例の予防注射&虫下しの日。
獣医さんにファームまで往診してもらい、羊(とヤギ)に注射をしてもらった。

子供と一緒で、羊たちもお医者さんが苦手だ。
ボーーーーッと生きてるようで、嫌なことをされたことはちゃんと覚えている。
いつもならサッサと小屋に入るくせに、白衣が見えただけで警戒して近寄ってこないし、やっとこさ捕まえても、最後まで悪あがきをする。
そんな小さな抵抗も相まって、羊を小屋に入れる→一頭ずつ識別する→捕まえる→保定して注射→ノートに記録、という一連の作業は、結構大変だったりする。

昨日は、るぢ男もずっと一緒だった。
羊を集めるときは集めてくれるし、捕獲するときに逃げ道を塞いだり、捕まえた羊が動かないように睨んだりと、いろいろと助けてくれた。
以前は小屋の中でも羊を追いまわし、正直、手伝ってるのか邪魔してるのかわからない感じだったけど、今回は一息ついたときに、あ、何だ、お前そこにいたのか、と思ったくらい、自然に立ち回っていた。
こちらも忙しくて、いちいち指図する暇も無かったから、きっと彼なりに作業の流れを覚えていて、率先して動いてくれたのだろう。
好意的に解釈すれば、だけど。

小屋の中が片付いても終わりではない。
頭突き羊のレイ君ともう一頭は、草刈り要員として、近所の農家の栗園に貸し出している。
そこまで車で移動しようとすると、当然のようにるぢ男が乗り込んでくる。

栗園はアップダウンのきつい傾斜地にあるし、レイの頭突きは怖いしで、捕まえに行くのが憂鬱だったのだが、るぢを放したとたん、あっという間に連れてきてくれた。
そのまま柵に押さえつけて、外から注射してもらって、一丁上がり。
おかげで、スムーズに作業を終えることができた。
るぢ男は?と見れば、またサッサと自分から車に乗り込んでいる。
うぐぐ、こ・の・や・ろ~・・・

練習だろうが毎日の用事だろうが、羊追い/鳥追いは何でも好きなるぢ男だが、昨日はもっとイキイキして、ほとんど得意気にさえ見えた。
勝手な擬人化かもしれないが、人の助けになったという実感が、もともと舞い上がりやすい彼を、一層高揚させていたのだろう。

犬の自主性なんて人間にとっては99%迷惑かもしれないが、それでも、少しでもそういう機会が作れたら、、、と思わずにはいられなかった。



0 件のコメント: