ルーチンワークは嫌いじゃない方だけど、雨が降れば話は別だ。
普段は何てことないエサ配りも、延々と続く苦役に思えてくる。
いや一つくらい良いことあるでしょ?と言われれば、濡れそぼったシープドッグを眺めることがそうかもしれない。
ブルブルっとした後でぼわっとなった姿をなぜか好ましく思う。
頭をガシガシ撫で回したくなる。
犬たちのルーティン仕事の一つ、柵越しの睨みつけ。
毎日欠かさず朝夕の2回、それぞれ離れた3エリア(羊、鳥、ヤギ)を掛け持ちする。
しかも相当な熱意で。
最近、空を飛べるようになってつくづく思った。地上で暮らす生き物の動線って地形や建物などにどんだけ影響されてんだ?と。
例えば、羊の世話をしてるときに玄関前に入ってくる宅配の車が見えたとする。今はちょっと助走をつけて飛んでいけば車が停車する前に到着できるが、以前はまず放牧地のゲートを出て、倉庫後ろを通り抜け母屋脇の狭〜い道を突っきる必要があった。結構な時間がかかるし、走ってる間は玄関からは死角になるので、留守と勘違いした配達員が引き返してしまうこともあった。
あらためて空から見てみると、そもそも止まってるのかと思うくらい足が遅い上に、わざわざ遠回りしてるのだから当然といえば当然だ。ほんの数メートル浮くだけでフリーの空間が広がってるのに、可哀想なくらい不自由だ。
自動車はそんな地上動物が開発した画期的な道具だが、空から見ればそれも大して変わらない。近所のコンビニに行くためには小川を越えないといけないので、2箇所しかない橋を渡る必要があって、これがどちらもすごい遠回りになる上に一旦川べりまで下りて、またそこから急坂を登る必要があるので高低差も相当だ。空を飛べば30秒で行けるのに6分半もかかってしまう。
飛べるようになるまではそれを制約と思ったことはないし、何の不便も感じなかったのだけれど、今ではとてもじゃないけど以前には戻れない。
ただ、まだ厚着をするとうまく飛べないので、冬場なんか続けて飛べるのはせいぜい10分だ。せめてユニクロのダウンを着込んだままで、スイスイ飛べるようになりたい。
羊たちがボタ餅化してる、の図。
牧草を配るときには畜舎を空っぽにしたい(われ先に頭を突っ込んでくるので邪魔でしょうがない)ので、犬を使って羊たちを締め出したところ、浜でゴロ寝するトドの群れみたいになってしまうわけです。
新しい草場に向かってワーっと突っ込んでいく場面もいいけれど、こういう油断し切ってるところはもっと好きかも。