骨になった指を嘆いてばかりいてもしょーがないので,頑張って立ち直ることにした.
もちろんなかなか思うようにはいかない.
筋肉が無いものだから,力が入らないのだ.
それでも念を集中すれば何とか日常生活くらいはこなせるようになるのだがら,人間の適応能力も大したもんだ.
人は変わり果てた手を見ていろいろ気を遣ってくれるが,犬たちの態度は変らない.
いつも通り甘えにくるし,骨の指で撫でてもギョッとしたりしない(指でブラッシングできて便利だったりする!).
だからこちらも気が楽である.
今日も4頭と遊んでから,締めくくりにオヤツをあげることにした.
みんな食い意地が張ってるので,ケンカにならないよう一頭ずつ名前を呼んでから与える.
「りん」,,,パクッ
「じぇち」,,,パクッ
「ぐっ」,,,パクッ
「さん」,,,カツッ
おっと,さんの歯に指(の骨)があたってしまった.
うまく力が入らないので,微妙にタイミングが狂ってしまう.
はは,相変わらず俺ってどんくさいね.
はいっ,オヤツ終わり~,これにて解散!
ん,さん,,,どうした? その顔は.
何だよ,もう何にも持ってないよ.
違うよバカ,この骨はオヤツじゃなくて俺の指!
...おい,そんな目で俺を見るなって.
あ,こら,やめろっ!!
痛い痛い痛い痛い,いててててててててっ,ぎょえ~!!!
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